オンタリオ州トロントにあるファッションブランド店のショーウィンドウを飾っているのは、クリスマスディナーの食卓を囲む家族団らんの風景。しかし機械仕掛けのマネキンの父親は、突然母親のマネキンを打とうと手を上げる。思わず身を引く母親、両手で顔を覆う子供のマネキン。
このショッキングなDV(家庭内暴力)のクリスマス向けディスプレーが見られるのは、同市クィーン通りウェストにあるUntitled & Co.のショーウィンドウ。展示を手がけたのは、女性のためのシェルターを運営するオンタリオ・アソシエーション・オブ・インターバル・アンド・トランジッション・ハウス(OAITH)。
家庭内暴力に関する認識を高めてもらおうと、OAITHが始めたこのザ・ウィンドウ・プロジェクト。同協会によると、クリスマスシーズンは家庭内暴力の発生が30パーセント近く上昇するという。その原因としては、クリスマスは楽しく素敵かつ完璧に迎えなければならないという社会的プレッシャーと、金銭的また親戚縁者関係のプレッシャーが加わるためだと説明している。
またショーウィンドウには、家庭内暴力根絶のための5ドルの寄付が、携帯からできることを伝えている(45678に『NO MORE』とテキスト)。
同協会は、このホリデーシーズンに幸せな家族だけではないことを、また助けが必要な女性には自分たちがいつでも控えていることを知ってもらえればうれしいと、取材に話していた。