先週ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市議会に提出された、今後5年間で12本の自転車専用レーンを新設するべきだとの報告書が10日、承認された。報告書はさらに、既存の10以上の自転車専用レーンの改良も提案している。

 新設されるレーンのうち8つはダウンタウンエリアに集中している。また主要な専用レーンの建設着工については、それに先立つ公開コンサルテーションが義務付けられ、個別に市議会の承認が必要ともされた。

 この報告書は、自転車利用者の記録的な伸びを記録したことを受けて作成された。市内に設けられた自転車数の定点観測機のデータによると、2015年の利用者の伸びは16パーセントを記録。バラード橋だけでも140万人の利用があったと、報告書は示している。

 自転車専用レーン計画にあたり市は、年代や能力に関係なく誰でも利用できるものとすることを第一に考え、車道から分離されたものか、車の通行量が比較的少ない道路に設定したものとしたと述べている。

 なお自転車専用レーン設定用地としては、既存の路上駐車スペースを利用するのがほとんど。ダウンタウン地区ではビーティ、キャンビー、リチャーズ、およびスマイスとネルソンの各通りで路上駐車スペースが削減される。

 またウォーター通りも『ポートサイド・グリーンウェイ』の中心的役割を担うことになると、当局は説明しているが、具体的にどのような将来像になるのかは明らかになっていない。報告書はそのほか『シーサイド・グリーンウェイ』のポイントグレイ・ロードの自転車専用道の改良、『コモックス=ヘルムケン・グリーンウェイ』のヘルムケン通り部分の完成を提案している。

 さらに今回、スケートボードの自転車専用レーン利用が1年間に限り試験的に許可された。スケートボードの歩道の利用を減らし、歩行者との干渉を避けることを狙いとしている。

 一方、ダウンタウン以外で専用レーンが計画されているコマーシャル・ドライブでも、路上駐車スペースが削減されることなどから、通り沿いの事業主から大きな反発の声も上がっている。

 

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