ダイヤモンド・ジュビリー

エリザベス女王の在位60周年を迎えた昨年、英国および英連邦諸国ではさまざまな祝賀行事や表彰式が行われ、カナダでもダイヤモンド・ジュビリー褒章が制定された。用意された6万個のメダルは、それぞれの分野での奉仕、貢献や業績を通して地域社会や国を創り上げるために尽力してきたあらゆる年齢の人たちに授与されるという。
昨年から現在まで、各地域で授章式が行われつつある。

日系コミュニティで48人が受章

デビッド・ジョンストン・カナダ総督に代わり、隣組、日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会、日系文化センター・博物館、日系プレース基金が1月1日付けで、日系コミュニティで50人がダイアモンド・ジュビリー褒章を受章したことを発表した。
日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会のルース・コールズ会長が「みなさんは個々に、日系コミュニティにおいて保健、教育、高齢者介護、指導者、歴史保存、文化の相互交流などの各分野、または一般的な日系カナダ人コミュニティの充実に従事してこられた方々です」と発表。隣組のジョージ熊谷理事長も「強く、そして心のこもった思いやりのあるコミュニティを作るために彼らは尽力してこられ、そのおかげで我々のコミュニティと国はより充実したものとなりました」と述べた。

選考委員が各分野にわたり検討

昨年初夏、日系プレースと隣組ではそれぞれ選考委員を定め、選考を開始した。
日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会のキャシー槇原事務局長によると、日系プレースでは日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会、日系文化センター・博物館、日系プレース基金の理事やスタッフ6人で選考委員会を設定。「とても多くの候補者と推薦された人の中から各分野にわたり、まんべんなく検討しました」。この中には人権問題やリドレス運動に関わった人、日系カナダ人退役軍人も含まれているという。
隣組では事務局長、理事長、理事の3人が担当。ケイシー佐藤理事は「元職員を含め20年以上に渡る長い間の貢献者を対象としました。シニアが必要としているプログラムを運営するためのボランティアとリーダーシップ、またコミュニティが必要とするメンタルヘルスや移住者への貢献も重視しました」と話す。

晴れの舞台に臨んだ48人

日系センターのホールで出席者約370人が起立する中、RCMP(カナダ騎馬警察隊)のオフィサーに先導された受章者48人が入場すると、全員で『オーカナダ』を斉唱。隣組理事の中谷陽里氏が司会を務めた。
隣組事務局長のデビッド岩浅氏、槇原氏、中谷氏が英語と日本語で受章者の名前と貢献を読み上げ、カナダ総督に代わりコールズ氏と隣組副理事の浜野ハイディ氏がメダルと表彰状を各受章者に手渡した。2人の辞退があったため、受章者は48人となった。
最後にコールズ氏と浜野氏がそれぞれ、授章式開催にあたり協力したメンバーと多くのボランティアに感謝し、受章者に祝辞を述べた。
終了後、茶菓が振舞われたロビーでは、メダルを胸にした受章者が家族や友人から祝福を受けながら歓談し、いつまでも笑顔が絶えなかった。

(取材 ルイーズ阿久沢)

受章者のみなさん(敬称略)

安藤マークT、安藤シゲコ(シャグ)、有延千賀子、番野ロバートT、カー・マルシアA、布川雅子、布川スタンレーT、グリーンナウェイ・ジョン・遠藤、花沢ジュディ、林光夫、ホフマン・リンダ・ウエハラ、本間しのぶ、井上徳子、上村ジーン、神谷フランクH、カワモト・ヒデアキ・ロイ、岸ハリー・昭一、北川メアリー、北川トッシュ、李知子、三廻部静子、森下ナンシー・クニコ、村尾敏夫、長坂パメラ、中堀忠一・クリス、新見ジェーンF、新見ロバートK、西村ロナルドM、大原ユウジ、大河内南穂子、リード紀子、志風ケン、志風ナオミ、清水由子、束川エリックA、スエヨシ・ニックS、田上トムK、高崎マユミ、タケウチ・ケネスM、田中ミヨシ(ミッキー)、田坂ロレーナ・喜久子、寺西トム、トムソン・グレース・エイコ、若山タミオ、矢田フレッド、八木恵子、山本イサムS、山城猛夫

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