2019年2月7日 第6号
現在、首都オタワとその近郊で、冬の風物詩として有名なウィンタールードが行われている。今年で、第41回目となるウィンタールードは、2月1日〜18日までの3週間。マイナス30度まで下がる極寒の冬を祝う本フェスティバルでは、氷の彫刻コンペや、世界一の長さを誇るリドー運河での屋外スケートリンク、またスノーフレーク王国など、見どころがたくさんだ。本紙は、オタワの誇るウィンタールードを紹介する。
フェアモント・シャトー・ローリエホテルを背景にリドー運河でスケート(Photo: the Department of Canadian Heritage)
リドー運河での屋外スケートリンク
全長7.8kmと世界一の長さを誇るリドー運河の屋外スケートリンクは、アクセスするのに非常に便利な、ダウンタウンの真ん中にスタート地点がある。
今の時期になると、本リンク使用者数は1日約2万人。バスや車の代わりに、スケートで通学・通勤する人から、スケートを楽しむ家族連れや観光客まで賑やかである。スケートをしたことのない留学生や旅行客が、ローカルのカナダ人と恋に落ちて…というロマンチックな話もたまに耳にする。
初めてオタワに来る人には、寒さが気になるかもしれないが、きちんと防寒着さえ着用していれば、寒さを忘れてスケートを楽しめることだろう。マイナス30度の極寒のなか、汗をかくことさえある。
スケート靴や、子供を乗せてスケートできるソリの貸し出し、またカナダ名物プーティンやビーバーテールといったスナック屋台(キャッシュオンリー)は、ダウンタウンのスタート地点(NAC国立芸術センター付近)と、7km地点にあたるDows Lake(リトル・イタリー付近)にある。スケートリンク自体は無料で24時間オープンしているので、スケート靴があるのなら持参することをお勧めする。ウェブカメラで現在の混み具合や、リンクのコンディションなども確認可能だ。悪天候やリンクのコンディションが悪い日は、リンクが閉まる場合もある。
http://ncc-ccn.gc.ca/rideau-canal-skateway
スノーフレーク王国
オタワ市の対面側にあたるガティノ市ダウンタウンにあるジャック・カルティエ公園(Jacque-Cartier Park)では、スノーフレーク王国と呼ばれる雪を使った巨大な遊び場が設立されている。雪でできた巨大な滑り台は、スリル満点で行列ができるほどの人気。またスキーやスノーボードレッスン、キッズゾーン、ジップライン、雪の彫刻、屋台など、丸1日、ここで楽しむことができるだろう。入場料無料。
スパークス通り
国会議事堂から1ブロック南のところに位置するのがスパークス通り。ウィンタールードのイベント会場として今年から仲間入り。ここでの見所は、LGBTQ2をテーマにしたプログラムだろう。モントリオール、トロント、オタワから、LGBTQ2界で有名なゲストたちが登場する。またスパークス通りにあるカナダ銀行博物館では、無料で特別プログラムやアクティビティーが行われている。
カナダ国会議事堂
オタワに来たからには、お城のように美しい国会議事堂にも寄ってほしい。無料ツアー(所要時間20〜50分)も年間を通して行われており、上院、下院、国会図書館などを案内してもらえる。また、中心部にあるピースタワーの展望台にもアクセスすることが可能で、ここからオタワや対面側のケベック州が一望できる。本無料ツアーは、国会議事堂前にあるオタワ観光局で予約可能である。
バイワードマーケット
オタワのダウンタウンにある人気観光スポット、バイワードマーケット。1826年に始まった歴史ある本マーケットは、レストランやバーまたナイトクラブで、ローカルや観光客たちの姿で年中、賑わう。今年からは、ウィンタールードのオフィシャルイベント会場として加わり、ティムホートンズ主催の第32回国際氷の彫刻コンペも、ここで行われる。コンペでは世界中から屈指の氷の彫刻家たちが集まり、その腕前を披露してくれる。毎年、日本人の名前もずらりと並ぶだけに、ウィンタールードでは見逃したくないイベントのひとつ。
さらに、バイワードマーケットのウォーキングツアーや、DJによる野外ダンス、グルメツアーなど様々なイベントが行われる。
※ウィンタールード開催中は、週末とロングウィークエンドに限り、オタワ市とガティノ市の各フェスティバル開催場を行き来する無料Sno-Busが出ている。
参照
Government of Canada
https://www.canada.ca/en/canadian-heritage/campaigns/winterlude.html
Ottawa Tourism
https://www.ottawatourism.ca/ottawa-insider/winterlude/
(取材 小林昌子)
夜もリドー運河でスケートが楽しめる(Photo: the Department of Canadian Heritage)
スノーフレーク王国で雪の滑り台 (Photo: the Department of Canadian Heritage)
長蛇の列ができる巨大滑り台は子供から大人まで大人気 (Photo: the Department of Canadian Heritage)
カナダ国会議事堂(Photo: Masako Kobayashi)
屋外DJ ナイト(Photo: the Department of Canadian Heritage)
世界中から氷の彫刻家たちが集まり腕前を披露する(Photo: the Department of Canadian Heritage)
氷の彫刻コンペを楽しむ観光客たち(Photo: the Department of Canadian Heritage)
タツノオトシゴ 夜になると、氷の彫刻がライトアップされる(Photo: the Department of Canadian Heritage)