最初にあなた自身のチェックから。こんな思い、あなたにはある?

□カナダで人生をリセットしたい。そのためには国際結婚をするのが幸せへの早道だと思う。

□人生はゲーム。結婚に失敗したら離婚すればいい。

□国際結婚はかっこいい。私のステイタスを高めると思う。

□私の夢は結婚すること。

 

恋愛中の人は次の点も要チェック!

□彼が好きと言ってくれてそれなりの関係になっている。私は彼の唯一の彼女。

□何でも彼の言う通りにしている。

□英語で自分の思いを伝えるのは苦手。

□自分はもう年だから、相手がこの程度の男性でも仕方がないと思う。

 

さて、あなたは幾つの項目にチェックを入れだろうか。ミドリさんは数多くの相談に乗った経験から、上記のような女性たちの思いが危険な国際恋愛、国際結婚を導く大きな要因になっていると見ている。また「トラブルには、女性の年代ごとに違った傾向が見られます」と次の事例を挙げてくれた。

 

年代ごとに多いトラブル事例

20~30代前半(短期語学留学生~大学留学など)

何度カナダ人男性と付き合っても国際結婚にはつながらず、体だけの関係で終わるケース。なかには性病や望まぬ妊娠、中絶を繰り返し経験する人も。

28~29歳(ギリホリ)

国際結婚目的でバンクーバー入りして結婚。相手のDV(家庭内暴力)や金銭問題が生じたので離婚したいが、英語力がないために離婚に関する情報を調べることも、情報を理解して手続きを行うこともできず、子供の事もからんで、たやすく離婚できず困っている人たち。

30代(個人移民)

焦りや妥協から国際結婚。女性の方が大黒柱となり、仕事の掛け持ちをせざるを得なくなったり、貯金を崩したり、実家にすがったりする羽目になる人たち。その陰には相手からのDVがある場合も。

 

「まず若い人たちに多い問題点は『国際結婚=幸せ』という幻想を信じてやまないことにあります。また国際結婚をゲーム感覚でとらえて、もしうまくいかなくても、誰かが何とかしてくれるだろう。お金さえ払えばどうにかなるだろうと、他力本願な気持ちでトラブル状況を解決できない人も目立ちます。また『いつか彼が気が付いてくれる』と思い続けて何年も我慢し続ける女性もいます。嫌な事があってもノーと言えない背景には、自分の国日本ではなく海外であること、捨てられては困るといった思い、彼が暴力を振るう、十分に伝える英語力がないなどの理由がありますね」

 

「彼の彼女は私だけ」は違う?カナダの恋愛プロセスを知ろう

「カナダ人は男女お互いに、何人もの異性と同時に付き合い、その後本気になった人一人に絞るのが普通です。誠実な人であれば、そこからはようやく1対1の関係になりますが、それもそうとは限りません。これはたとえ男性が50代や60代であっても同じです」

 

危険信号を見逃すな! 要注意人物はこんな人

いくら彼が優しくしてくれても、健全で本当にハッピーな恋愛をしたいと思ったら、こんな男性には気をつけよう。
●男性自身が会いたいと思う時だけ彼に会える。(複数の女性を掛け持ちしているサイン)。
●土日は会えない。(妻子持ちのサイン)。
●男性の自宅には連れて行かれない。(妻子持ち、あるいは身元を知られたくない。本命の人に 見られたら困るなど「ワケあり」)。
●出会ってすぐに女性の部屋に転がり込む。(「ヒモ」を決め込むタイプにありがち)。
●夢を語りながら、無職か職を転々と変えている状態。結婚話をちらつかせるが、実際には結婚 に進んでいかない。(「ヒモ」タイプ)。
●脅したり、追い詰めたり、命令したり、物を投げたりする。(自分に自信がない男性に多い。DVに発展する危険大)。

 

「これまで休みには会えなかったのに『夏休みになったからゆっくり二人で旅行しよう』などと誘ってくる場合は、日本人の妻がいて子供を連れて里帰りしている間だったといったことがありがちです。ヒモタイプの男性の見た目は中の上。非常にイケメンの人はほっといても女性が寄ってきますので、自分からは近づきません。ともかく、ヒモタイプの人は『もう〇歳だし、どうせ私なんか…』と寂しいオーラを放っている女性を見つけるのが上手で、すぐに近寄り、家に転がりこみます。日本女性は10歳は若く思われますから、40代でもまだまだ平気です。年齢を理由に卑屈にならないでほしいです」

 

積極的に自分をアピールが吉。出会いの場での心がけ

「『ワタシ何にもできないのー』というブリッ子はカナダではモテません。アニメ好きには受けますけど(笑)。見た目が若いのは受けますが、考えや行動が幼稚なのはアウトです。自分は何が好きで何が得意か、自分の夢など、自分をよく知って、自分はこういう人間なんですと相手に伝えられるようにしておく『自己アピール』が大事です。でも『結婚が夢』は、カナダ人には『それだけ?それって何なの?』という感覚です。結婚とか子供とか、そういう事を超えたレベルに行かないとだめですね」。
「誠実な人と出会いたかったら、自分を向上させるために行った体験をシェアすることは有効です。例えば動物のためのボランティアをしたとか、フードバンクで週に1度お手伝いをしているとか。カナダ人男性は気の強いカナダ人女性をきついと感じていて、日本人女性が多少自慢話をしても素晴らしいと思われるので遠慮することはありません」

 

彼をよりよく知るには

「ただ毎回おいしいものを食べてベッドへでは彼がどんな人間か知ることは難しいでしょう」と語るミドリさんの提案する彼の人間性をつかむためのアイディアを紹介しよう。

二人で共同作業をする。

「1万ピースのジグソーパズルを一緒にやってみると、短気な人なら30分くらいでさじを投げてしまうでしょう。簡単なことでは一緒に料理をするのもいいです。特にベーキングをすると几帳面か根気があるかなど彼の人柄が見えてきますね」

1週間以上の旅行やキャンプをする。

「1、2日だったら隠せることも、1週間以上となればそうはいきません。服を乱雑に放り出したり、面倒くさがりでシャワーを2日も入らなかったりなど、日常の彼の姿がわかります。短時間のデートを何十回繰り返しても、こうしたことはわからないのです」

 

恋愛も結婚生活も二人で作り上げるもの

国際恋愛・国際結婚を幸せなものにするには、「共通の言語で十分にコミュニケーションが取れること、しっかり自分を持っていること、彼の話によく耳を傾けること、ギブアンドテイクがほどよくできる女性であること、何でも二人単位で考えられること」。自分の魅力アップのために「趣味やスポーツ、ボランティアなどを始めるなど常に『自分磨き』を。一人の時も幸せ、二人でいるともっと幸せという関係がベスト」とミドリさん。そうした地道な取り組みがハッピーな恋愛への近道かもしれない。

 

ミドリ・スタイルズ(Midori Styles)さん プロフィール

バンクーバー在住、カナダ育ちの日英バイリンガル。落ち着きがあり、物を見る目の確かなミドリさんが、子供の頃から人から相談をされることの多かったというのはうなずける。日記を日本語で書くことで日本語の力を養い、バンクーバーから上智大学へ入学。その後、日本の英語学校に勤務し、外国人英語講師たちや外国人男性の友人たちの声を聞く環境の中、個人的に学生たちの国際恋愛の相談に乗る機会が頻繁になり、いつしか英語講師の傍ら国際恋愛相談のアドバイザーに。そしてこの12年間で約200組を結婚に導いたキューピットでもある。2011年Rose International Dating Services Inc.を設立。数百人のカナダ人男性らにアンケート調査して分かった彼らの本音や生きた英語など満載のミドリさんのブログはこちら。http://ameblo.jp/cutiefromjapan/

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。