2018年4月26日 第17号
2018・バンクーバー・インターナショナル・ファッション・フェスティバル(メディアスポンサー:バンクーバー新報)が4月14日、ブリティッシュ・コロンビア州のリッチモンド市にあるパシィフィック・ゲートウェイ・ホテルで開催された。春の開催は今回が2度目。
最後に出演者全員であいさつ。中央はショーをプロデュースしたデイビッド・チェンさん
今年はカナダ人とロシア人のデザイナーによるフェスティバルで、テーマは「愛の力(Power Of Love)」。
ショーは前半と後半の2部構成で、8人のデザイナーによる約70点の衣装や2人のデザイナーによる約20点のジュエリーなどが、69人のモデルによって披露された。
会場に集まった約300人の観客はモデルが登場するたびに大きな拍手を送り、1時間半ほどのショーを楽しんだ。
前半はデザイナーズファッションのほかジャケットやコートにイブニングドレス、そしてジュエリーを身につけたモデルがランウェイを歩き、観客の視線を集めた。
後半はカナダ人シンガーソングライターのへーマン・メドハーさんが車椅子で歌声を披露。そのあと車椅子を使うモデルのステージや健常者とのダンスなど、ファッションだけで終わらない盛りだくさんの内容が用意されていた。またローラースケートやタップダンスの演出もあり、会場からは盛んな拍手が送られていた。
プロデューサーのデイビッド・チェンさんによると、今回のショーで工夫したところはランウェイ作りと照明で、車椅子モデルの参加については「へーマンさんとの出会いが大きかったです。地域社会で頑張っている彼らにも、ショーに出て輝いてほしかった」と思いを述べた。
またデイビッドさんの妻が乳癌で亡くなったこともあり、カナダ癌協会のパートナーとして募金活動も行った。
バーナビー市から友人2人と一緒に来た女性は「とても印象的なショーでした。特に後半は車椅子を使うなど斬新さがあって、癌患者を救済する募金活動もすばらしい試みだと思います」とショーの演出以外の部分も評価していた。
デイビッドさんは「無事に終わってホッとしました。短い準備期間でしたが内容の濃いショーになりました。楽しみながら愛と芸術を表現できたと思います。中でも7歳から12歳の子どもたちのダンスは彼らの手作りで、その才能には感心させられました」と感想を語った。
タップダンスを見せたデイビッドさんの娘のソフィーちゃんは「少し緊張したけれど、とてもエキサイティングでした」と喜びを隠せない様子だった。
「これからも毎年、春と秋に2回のショーをやっていきたいと思います。目標はコンスタントに続けて、革新的なものにすることです。またカナダ癌協会のパートナーとして、少しでも募金活動に役立てればと思います」とデイビッドさんは今後の抱負を語った。
最後に「開催するに当たり、多くの方から力を貸していただき、ありがたかったです。このショーは皆さんの力で作られたものです」と協力してもらった人たちや企業などに、感謝の意も忘れなかった。
(取材 古川 透 / 写真 4月14日、ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市のパシフィック・ゲートウェイ・ホテルで)
ローラースケートを使った演出
シンガーソングライターのへーマン・メドハーさん
車椅子によるダンスもあった