2017年9月7日 第36号

9月に入ったとは思えないほどの強い日差しが続いた9月2日、3日、ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の日系文化センター・博物館で第5回日系祭りが開催された。ことしは約1万3千人の入場者で賑わい、イベント会場・食べ物屋台など連日大盛況であった。

 

ガーデンでの盆踊りには花柳與桂舞踊アカデミーも参加した

 

開会式

 スコーミッシュ族の長老サム・ジョージ氏の祝福の歌から始まった開会式は見事な青空のもと行われた。ロジャー・レミレー日系文化センター・博物館事務局長とルイーズ阿久沢日系祭り実行委員長は、300名以上のボランティアや出演者、そしてスポンサーからの協力に感謝を述べた。続いて岡井朝子在バンクーバー日本国総領事は「毎回入場者数を伸ばしているこの日系祭りに今年も参加でき光栄に思っています。この日系祭りが日系人だけの祭りにとどまらず、ここバーナビーはもとよりグレーターバンクーバーという大きなコミュニティから認められている祭りだということに心から感謝しています」と述べた。最後にポール・マクドーネル・バーナビー市長代理は「日系祭りの文化的遺産の素晴らしさを称えるとともに祭りの成功を祈ります」と、挨拶をした。

 

日系の心

 日本の祭りの楽しさがぎっしり詰まった日系祭りはイベントや屋台が盛りだくさん。イベントホール、ガーデンとも活気にあふれ、武道場での茶道と武道のデモンストレーションも連日大賑わいとなった。

 今年の日本からの特別ゲストは花柳與桂(はなやぎよか)さん率いる舞踊アカデミー。メンバーが艶やかな着物姿で日本舞踊を舞うと、詰めかけた多くの観客を魅了した。舞台終了後のインタビューで花柳與桂さんは「海外の(観客の)方は心が伝わってきます。一生懸命理解しようと見てくださる、その心がよく伝わってくるのが大変うれしいです」と充実の笑顔をこぼした。その後も、メンバーはガーデンで行われた盆踊りに加わり、盆踊りの輪はさらに華やかとなった。

 参加は今年が3年目だというイラン人の女性は、日系祭りについて「大人・子供両方が楽しめる多くのアクティビティが楽しくてしょうがない!そしてそのアクティビティのどれもが他のどの文化にもない日本独自のユニークなもので、それが本当に素晴らしい。」と興奮気味に語ってくれた。“日系の心”を日系人だけではなくコミュニティ全体で分かち合うこの祭りは確実に多くの人びとの支持を得てきているようだ。

 

祭りスター・タレントサーチ

 賞金500ドルをかけて次世代のスターを発掘する『祭りスター・タレントサーチ』(バンクーバー新報提供)。2日間の祭りのハイライトともいえる3日の決勝戦では多くの観客が見守るなか、ハイレベルな戦いが行われた。音楽が止まってしまうなどのハプニングが起こったが、そのハプニングを物ともせず演奏し続けたり、踊り続けた出演者たちに会場からは大きな声援や拍手が起こり、そのアクシデントが逆に観客の心をつかんだようだった。見事に優勝に輝いたのは『もののけ姫』の主題歌を日本語と英語で美しく歌い上げたチェ・リュウさん。準優勝はブレークダンス3人組B.L.T。キッズ賞にはヒップホップダンスのバイブ・アンサム。特別賞は見事なギターの演奏を披露したジュワニさんに送られた。

(取材 福安 恵子/写真 中村 みゆき)

 

にぎわった会場

 

開会式での鏡開き 右からロジャー・レミレー日系センター事務局長、ポール・マクドーネル・バーナビー市長代理、岡井朝子在バンクーバー日本国総領事、ルイーズ阿久沢日系祭り実行委員長

 

見事に優勝を手にしたチェ・リュウさん(左)と津田佐江子社主(写真 福安 恵子)

 

準優勝は観客の心を捉えたB.L.T(写真 福安 恵子)

 

観客をノリノリにしたバイブ・アンサムにキッズ賞(写真 福安 恵子)

 

音声トラブルを克服したジュワニさんに特別賞(写真 福安 恵子)

 

花柳與桂さんの酉年にちなんだ創作舞踊

 

弊社インタビューに応える花柳與桂さん

 

花柳與桂舞踊アカデミーによる舞踊

 

花柳與桂舞踊アカデミーによる舞踊

 

日本の童謡メドレーなどを熱唱したさくらシンガーズ (写真 福安 恵子)

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。