カナダズ・ロイヤル・ウィニペグ・バレエ(以下、RWB)には4人の日本人ダンサーが在籍している。カナダをはじめ中国、アメリカ、ヨーロッパにも公演旅行で訪れている。公演で4月にバンクーバーを訪れる彼らに話を聞いた。

4月7日の公演チケットが当たる!
詳しくはパート1、5ページをご覧下さい。

 

インタビューの質問
Q1. ダンサーへの経緯、また、プロの道に進んだきっかけ 
Q2. カナダに来たきっかけと、現在このバレエ団で活動している理由
Q3. 現在のダンサーとしての活動
Q4. ダンサーとしての信条や大切にしていること、習慣
Q5. 現在の仕事以外の活動(趣味など)
Q6. これからの抱負


 

三野 洋祐:みの ようすけ

Yosuke Mino Credit Réjean Brandt Photography

 

石川県出身。金沢でバレエを習い始める。RWBのスクールに入学するために1998年に渡加。2002年に研究生としてRWBに入団。2006年にRWBに戻り、ソリストに昇進し活躍を続けている。踊りの振付もこなしている。

Q1. 母が「ビックリマン(チョコレート菓子のこと)10個買ってあげる」と言うので、バレエを始めました。もちろん踊りが好きだったというのもあり、気がついたら人生の半分をカナダで過ごしています!

Q2. 日本のダンス・マガジンで偶然見かけたRWB のスクールの広告を見て、なんとなく応募したことがきっかけでした。ここのバレエ団に長い間いる理由は、おそらく心地よかったんだと思います。

Q3. 昨年の夏は幸運にも東京で、海外で踊っている日本人ダンサーを集めたガラ公演に参加させていただき、よい刺激をもらいました! 地元のバレエ教室でも毎夏、踊りの指導の手伝いをさせてもらっています。

Q4. ダンサーとして現役である限り成長し続けることを毎日考えています。

Q5. 最近は編み物をよくしています。ことしの秋から冬にかけてスカーフを6つ編みました。

Q6. いろいろなジャンルの人と知り合って自分の知らないことをたくさん学びたいです。

 

RWB Company Dancers in Going Home Star - Truth and Reconciliation Yosuke Mino - photo by Samanta


 

伴 弥生:ばん やよい

Yayoi Ban Credit Réjean Brandt Photography

 

千葉県出身。9歳でバレエを始め、谷桃子バレエ団研究所を経て2001年RWBの学校に留学。奨学金を得て優秀賞で卒業した後、研究生プログラムに所属。2005年、準団員を経て、翌年正団員に。2012年セカンド・ソリストに、そして、2014年にファースト・ソリストに昇格。

Q1. カナダに留学したらバレエ団がスクールと同じ建物の中にあったので、日本でレッスンを受けている時は夢だったバレエ・ダンサーという職業が、とても身近で現実的な目標になりました。それに、プロの方と一緒の舞台に立つ機会に恵まれ、自分が大好きなバレエを職業にしたいと強く思うようになりました。

Q2. 当時イブリン・ハートさんが同団で活躍されていて、日本でのバレエの恩師に彼女の踊りを直に見て勉強するように勧められました。

 現在のバレエ団で活動しているのは、バレエ団の雰囲気がとても良いこと。ダンサーや裏方スタッフをはじめ、バレエ団全員が家族のように仲が良いのです。それに、観客を200人ぐらい収容できるスタジオをはじめ、バレエ団の設備がとても充実しているからです。そして、好きなバレエ作品のレパートリーを踊れるのも大きな理由の一つです。

Q3. 主に団の年間スケジュールに沿って、ダンサーの活動をしています。

Q4. 舞台を見に来てくれた観客の皆さんを感動させたり、心に何か残せる舞台にするために、練習をしている時から、その日に出せる100%の力を出し尽くします。また、日ごろの練習時から本番の舞台に向けて、どんな役でも自分なりに考え自分にしかできない踊りや表現をするように努めています。早寝早起きをし、バレエ以外にジムでのトレーニング、バランスのとれた食事にも気を使っています。

Q5. 将来的にはバレエ教師になりたいので、教えることにとても興味があります。週末に一般の大人のクラスのバレエを教えたり、帰国した時には地元のバレエ教室で教えたりしています。その他の趣味は買い物ですね。

Q6. 現役ダンサーとして踊れる期間は限られているので、一日一日を大切に健康で楽しく過ごしていきたいです。また、一人でも多くの方にバレエの魅力を伝えていきたいです。

 

RWB_dancerYayoi Ban_Black Swan_Photo Samanta Katz


 

上草 吉子:かみくさ よしこ

Yoshiko Kamikusa Credit Réjean Brandt Photography

 

東京都出身。ハワイに移り住み、同地で7歳でバレエを始める。その後、カナダに移住。バンクーバーのゴー・バレエ・アカデミーでバレエのトレーニングを積み、2013年9月よりRWBに研究生として入団し、現在は団員として所属している。

Q1.& Q2. カナダへは学校とバレエをしに来たのがきっかけですが、卒業したバンクーバーのゴー・バレエ学校には、当時、バレエ業界においても非常に優れたバレエ講師がいたことが主な理由です。RWBは自分を必要としてくれたため、所属しました。

Q3. 主に団の年間スケジュールに沿って、ダンサーの活動をしています。

 入団以来、団の本拠地の公演以外、カナダ国内ツアー、中国、アメリカのツアー、そして今年はヨーロッパツアーなど、ほぼ全ての公演に参加しました。

Q4. 自分をダンサーとして常に一番いい状態に保ち、観客の皆様に最高のパフォーマンスをお見せすることです。そのために、バランスの良い食事、身体のメンテナンス、睡眠には気を配っています。

Q5. 趣味としては、とにかく食べ物が好きなので、美味しそうなお店を見つけて時々行きます。自分でも作ったりしますが、まだまだ修行中です(笑)。

Q6. ダンサーとして、ますます幅広い活動を心掛けながら、自分自身を心身共に向上させ、より多くのお客様に喜んでいただき、私の踊りが観たいと言っていただけるよう、これからも踊り続けたいと思います。バンクーバーは、私が初めてカナダへ来た時に住んだ素晴らしい都市です。またバンクーバーを訪れ、皆様にお会いできるのを楽しみにしています。

 

Yoshiko_Kamikusa photo by David Cooper


 

椿井 愛実:つばい まなみ

Manami Tsubai Credit Réjean Brandt Photography

 

大阪府出身。3歳からバレエを始め、17歳の時にRWBのスクールに留学。2011年に卒業後、同スクールのアスピラント・プログラムで2年間トレーニングを積み、2013年にRWBに入団する。

Q1. 私は物心ついた時から踊ることが大好きで3歳からバレエを習い始めました。その時から、だた踊ることが好きという一心でずっと続けてきました。15歳の時に海外に出てもっとバレエのことを習いたくなり、17歳の時にオーディションしカナダのRWBの学校に留学が決まりました。

Q2. 5歳の時に父の仕事でウィニペグに1年住んでいたので、両親の友達がいたこともありRWBの学校に行くことに。そのまま学校を卒業してその上のプログラムを2年間こなし、2年目にバレエ団に入団の契約をしました。

Q3. 2015年の夏に熊川哲也さんが主催するガラに出演させてもらえる機会があり、世界各国で活躍されている方々と舞台に立つことができました。とても良い経験になりました!

Q4. 踊るのが好きということを忘れない。また、踊ることを諦めない! その他にも短いスパンで目標を立ててはいますが、この2つはずっと自分の中で大切にしています。

Q5. 仕事以外では、料理をしたりお菓子作りをするのが好きです。なにも他のことを考えないで無心で作ることに集中できるので、ストレス発散になっています。

Q6. プロになって時間が短いためまだ未熟ですので、これからもっといろいろなことを学んでいきたいです。毎日少しずつでも前進できるように頑張っていきます。少しでも多くの方々に自分の踊りで感動を与えていきたいです。

 

Nutcracker - Manami Tsubai photo by David Cooper

 

バンクーバー新報の読者の皆さんへ
 今回バンクーバーで公演する作品“Going Home Star - Truth And Reconciliation”は、カナダの先住民族の全寮制学校についての作品です。その学校でどのようなことが起こっていたのか。この制度が廃止されても、今でも辛い思いを抱えている方々がいます。ぜひ、たくさんの方にご覧いただきたい作品です。

RWBバンクーバー公演: Going Home Star - Truth And Reconciliation
2016年4月7日(木)、8日(金)9日(土)8:00 PM 
クィーン・エリザベス・シアター
チケット: 1-855-985-ARTS (2787)
http://www.ticketmaster.ca

(取材 北風 かんな)

System.String[]

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。