コートニーの休日  ファーマーズ・マーケットから癒しのワイナリーへ

ゆるりとしたアイランド・ライフの中、子育て中のファミリーやリタイア族も多い町コートニーへは、ナナイモから車で約1時間半。豊かな農業地帯に位置し、近くには世界でも有数の積雪量を誇るマウント・ワシントンがある。

マウント・ワシントン。山頂からの眺め

 

世界でも有数の積雪量を誇る マウント・ワシントン

 世界でも有数の積雪量を誇るマウント・ワシントンは標高2千メートル。バンクーバー本土の人にはあまり知られていないが、5つのリフトにマジックカーペット、60のゲレンデがあり、初心者から上級者まで楽しめる本格派スキーリゾート。

 夏にはイーグル・チェアーリフトに乗って山頂からの景色やハイキング、マウンテンバイクも楽しめる。

 近くにはバンクーバー五輪の際、選手たちのトレーニング場となったフィットネス、ミーティングルーム、40人まで合宿できるバンクーバー・アイランド・マウンテンセンターがあり、イベントや結婚式場としても使われている。

Mount Washington Alpine Resort

コートニーの町から車で30分のアルペン・リゾート。

電話(トールフリー): 1 (888)231-1499(英語のみ)

www.mountwashington.ca

 

サイクリングでファーマーズ・マーケットへ

 予約の際に身長を教えると、それぞれに合った自転車を用意してくれるガイド付きサイクリングツアー『アイランド・ジョイライド』。ホテルへの送迎、水とスナックの用意、途中リタイアする人のためのサポート・カーなど、至れり尽くせり。

 遊歩道や川沿いの平らな道を、野鳥を見ながら1時間のサイクリングは、心地よい風と開放感がたまらない。

 最終地点は地元市民に人気のコモックスバレー・ファーマーズ・マーケット。土曜日の営業は朝9時から12時までで、約3千人が訪れる。厳選された加盟団体は現在96店舗。毎回約70店舗が出展してオーガニック野菜や果物、花、自家製アイスクリームやチーズ、ワインなどを販売。日本人経営『Tatsunamiファーム』では大根やまんじゅう、自家製納豆を売っていた。

 野外ステージでの音楽を聴きながらマフィンやアイスクリームを食べたり、休日の朝をのんびりと過ごす人たちでにぎわう。

Island Joy Rides Inc

ガイド付きサイクリング・ツアー。途中休憩や平坦な遊歩道を走る初心者向けコースから相談に応じたカスタム・ツアーを実施。

電話(トールフリー):1 (855)830-8522(英語のみ)

www.islandjoyrides.com

Comox Valley Farmers' Market Association

1992年に地元農家が集まって直接販売をしたのをきっかけに始まった現在では人気のファーマーズ・マーケット。

電話:1 (250)218-0321(英語のみ)

www.comoxvalleyfarmersmarket.com

 

癒しの庭園 ブルームーン・ワイナリー

 現在バンクーバー島にワイナリーは約40カ所。その多くが家族経営など小規模なもので、2009年にオープンしたのがブルームーン・エステート・ワイナリー。

 6エーカーの土壌豊かな農地でフランス人の妻マーラさんがオーガニック農園を管理し、スイス人の夫ジョージさんがワインメーカーとして活躍。最近はフルーツ・サイダーがヒット商品として注目されている。

 マーラさんと広い庭園やグリーンハウスを散策して食用花やハーブの香りを感じると、それだけで癒される。季節によってはフルーツピッキングも。

 大輪のダリアが飾られた屋外のテーブルで味わう地元の食材を使った料理とワイン。自然の恵みと癒しの庭園は贅沢そのもの。

Blue Moon Estate Winery

4905 Darcy Rd. Courtenay

電話:1 (250)338-9765(英語のみ)

ワイン・テイスティング、販売、プロのシェフによる料理教室やプライベートパーティーも開催。

www.bluemoonwinery.ca

 

川で化石発掘に挑戦

 恐竜というとアルバータ州のドラムヘラーが有名だが、バンクーバー島でもその生息が確認されており、コートニーに博物館がある。

 1988年、父と娘(当時12歳)が町の西側にあるプントリッジ川で恐竜の骨とみられる化石を発見。専門家による本格的な発掘作業が始まり、中世代白亜紀後期の北アメリカに生息していたエラスモサウルス(日本では首長竜)の化石と判明した。

 館内にはショーケースに入ったその化石と、天井からぶら下がる首の長い大きな模型ほか、アンモナイトや岩を展示。先住民の文化やコートニーの歴史紹介コーナーもある。

 恐竜博物館見学のあとは、ガイドとともに川での化石発掘ツアーがお勧め。車で10分、森を抜けて川まで5分のハイキング。保護メガネとかなづちを持てば、古生物学者になった気分!

Courtenay & District Museum & Paleontology Centre –Fossil Tours

コートニー地区博物館・古生物学センター

207 Fourth Street, Courtenay

電話:1 (250)334-0686(英語のみ)

10AM-5PM 

夏は祭日を除きカナダデーも開館。 冬期(9月から5月まで)は日・月休館。

恐竜や化石を学ぶ子ども向けキャンプ、バースデー・パーティーも予約可。

www.courtenaymuseum.ca

 

コートニーへのアクセス

バンクーバー島内第二の都市ナナイモから車で北へ約1時間半。コートニー、コモックス、カンバーランドの3つの町を含むバンクーバー島東海岸中央部のこのエリアをコモックスバレーと呼ぶ。

(取材 ルイーズ阿久沢)(取材協力:BC州観光局、バンクーバー島観光局)

平坦な遊歩道や川沿いをサイクリング。秋には鮭が川を上っていくのが見られる

地元市民でにぎわうコモックスバレー・ファーマーズ・マーケット(撮影 Kieran Murphy)

ブルームーン・エステート・ワイナリー。ワインほかフルーツ・サイダーも好評

庭園内でのランチ。この日のワインは東洋梨の白ワイン、ブルーベリーの赤ワイン、食後はブラックベリーのデザートワイン

▲マーラさんとともに広い園内を散策。ブルーベリー、梨、アプリコット、ハーブ、エディブル・フラワー(食用花)、大輪のダリアなど、どれも癒される

サラダなど食用にできるキンレンカ。ペッパーのような辛味がある

まだ若いりんごの木。日本の梨の木もあった

エラスモサウルス(日本では首長竜)の化石が展示された博物館

恐竜の化石が発掘されたプントリッジ川。小エビの化石が入った岩や石が今でもたくさん出てくる

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。