夏だ、祭りだ、今年もパウエル祭!

 

バンクーバーの夏の恒例イベント、パウエル祭(Powell Street Festival)が引き続き、伝統あるオッペンハイマー公園に帰ってくる。カナダ国内で最大規模のコミュニティ・アート・フェスティバルは今年で39回目を迎え、8月1日と2日の両日、朝11時半から7時まで開催される。パウエル祭の見どころについて、広報担当のオーエン・キャメロンさんに話を聞いた。

  

パウエル祭の会場

   

■合言葉は『Alien』

 今年のパウエル祭のテーマは『エイリアン』。アニメレボリューションやコスプレを始め、多くのアーティストが参加する。

 テレビのサイエンス番組や環境保護運動でおなじみのデイビッド・スズキ氏は生物学者であると同時に作家でもある。彼の新書『Letters to my Grandchildren』について、スペシャル講演が開かれる。このイベントは無料だが、土、日の両日、11時半から配られる整理券が必要。日曜日の当日券は2時15分より配布される。

 Fishstixとして知られているAgainst the Currentは、サーモンの生活や歴史をたどりながらパフォーマンスする。4つの太鼓グループ(チビ太鼓、 語り太鼓、 山椒太鼓、 さわぎ太鼓)とスペシャルゲストのセーリッシュ族のアーティストやセーリッシュ楽団『Tzo’kam』がコラボとして参加する。サーモンを語る歌、詩、語り、ダンス、色とりどりのペーパーマシェなど盛りだくさんの予定。

 カルガリーからは、ダンサー・アーティストのマーク・イケダさんが参加する。彼はダンス、劇、ユーモアを通して独特のパーフォマンスをすると評されている。

 ドラマー、シンバルのバーニー・アライさんとジャズ・ピアニストのクリス・ジェストリンさんは、「わび」というプロジェクトで日本の美意識「渋さ」を探求する。トリオのバースを取り、わざと完璧でないデュオの設定で和音楽の美を目指す。毎年バンクーバー・ジャズ・フェスティバルなどでおなじみのギタリスト、中島有二郎トリオによるボサノバ、ジャズ、サンバの演奏も見逃せない。

 音楽イベントは、さらにシンガーソングライターのコウヘイ・ヨシノ(Winter Baskers)、レイチェル・キヨ・イワッサ、ニホ・タカセ、Hyperdroidsをはじめ、混声合唱団のさくらシンガーズなど、おなじみの日系アーティスト達も勢揃いする。

 シネマ・ファンには『Nikkei Stories of Powell Street 』が、バンクーバー日本語学校で上映される。昔パウエル・ストリートに8000人いたといわれる日系人だが、戦争後戻らなかった彼らの様子をフィルムで紹介。監督は受賞もしているゴードン・マックレナンとグレッグ・マスダ。

 

■楽しいイベントと食べ物がいっぱい

 カナダ人が最も喜ぶマーシャルアートのデモンストレーションには、空手、柔道、合気道、少林寺拳法、剣術、柔術、居合術、居合道、弓道など、鍛錬された各武道家が参加する。今年は「バンクーバー朝日軍」にちなんで「ピッチ・チャレンジ」の新企画のほか、恒例のスイカ割り体験、相撲、気合いコンテスト、折り紙など、子どもが楽しめるゲームもある。Raymond Nakamuraの受賞作品『Peach Girl』の朗読もスペシャルとして期待できる。また、盆栽、生け花、茶道、日本舞踊、ダンス、日系人の歴史をたずねるウォーキングツアー、綱引き、『炭坑節』、お神輿、宝くじ(例:JALの日本行往復航空券2枚、葉っぱ居酒屋ディナー券6名分)など、大人向けの楽しい内容も盛りだくさんだ。

 酒、寿司、たこ焼き、焼きそば、お好み焼き、餃子、おにぎり、ラーメン、コロッケ、焼き鳥などお馴染みの日本フードに加えて、さらにコーヒー、マカロン、ホットドッグ、かき氷など、合計約17店舗の屋台が登場する。そのほかにも、37ものクラフトや情報の出店が予定されており、日本の夏祭りの風情を大いに演出してくれる。会長のColin Chanさんによると「パウエル祭はコミュニティのふれあい、芸術振興、アクセシビリティー、ヘリテージ、財政的持続可能性、という5つの基本理念を反映している」そうだ。まだ参加したことのない方は、ぜひ家族や友人と伝統的な日系文化を楽しんでほしい。

 詳しくはプログラムを参照。

 

家族揃ってゲームに参加

 

家族揃ってゲームに参加

 

デイビッド・スズキさん

 

マーク・イケダさん

 

コウヘイ・ヨシノさん

 

ニホ・タカセさん(Photo by dianesmithers.com)

 

日系ストーリーズ

 

おいしそうな屋台

 

おいしそうな屋台

 

おいしそうな屋台

 

パウエル祭スタッフ

 

 

 

(取材 ジェナ・パーク / 写真提供 パウエル祭協会) 


 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。