斬新なリズムでスタート
VSO音楽監督ブラムウェル・トーヴィー氏の指揮で迎えたオープニング・ゲストは、世界的に有名なソロ・パーカッショニストのエヴリン・グレニー(Dame Evelyn Glennie)。幼少時に聴覚障害を患いながらも演奏家として成功を収めた彼女は、体に感じるバイブレーションで演奏するという。カナダ人作曲家ランドルフ・ピーターズの『ミュージック・オフィーリア』を世界初演。ピアノの弦を弾いたり、木琴・鉄琴や特大シンバルなど所狭しと動きながら、カリスマ性を発揮。斬新なリズムで独特な世界を繰り広げた。
最後はお馴染みラヴェルの『ボレロ』。スネアドラムが坦々としたリズムを刻む中、徐々に各楽器が加わって大合奏のクライマックスへと導き、会場は大きな拍手に包まれた。
長井明氏(VSO終身名誉コンサートマスター)が勧める 今シーズンのハイライト
『ベートーベン:5つのピアノ協奏曲』
(イーフィム・ブロンフマン)
(11月16日、18日、12月7日、8日)
私のモントリオール時代(1971-76)にモントリオール交響楽団と協演してアメリカデビューしたイスラエル出身のピアニストです。その後素晴らしい成長を見せて、今日世界一流のオーケストラと協演する巨匠!!がベートーベンのピアノ協奏曲全曲を演奏する見逃せない特別コンサートシリーズ。
『ロマンティック・ロシアン・フェスティバル』
(アレクサンダー・ガヴリリュク)
(3月29日、31日、4月5日、7日)
ピアニスト、アレクサンダー・ガヴリリュクを迎えて、ラフマニノフのピアノ協奏曲4曲全曲!とパガニーニの主題による狂詩曲。それに加えてラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番』、リムスキー=コルサコフ『シェエラザード』、ムソルグスキー『展覧会の絵』などの素晴らしいロシアのロマン派を象徴する交響楽のフェストをお楽しみに!!
シーズン中に欠かすことのできない『交響合唱曲』の夕べが二回!
ベートーベンの『交響曲第9番』。VSO音楽監督ブラムウェル・トーヴィー指揮。(3月1日、2日)。
秋山和慶氏の指揮で華麗なオルフ『カルミナ・ブラーナ』(5月3日、5日)。毎年オーケストラメンバーと聴衆を沸かしてくれる我がVSO名誉指揮者が久しぶりに振る合唱曲の傑作をお見逃しなく!!
私個人としてのお薦め!
最近どんどん腕を上げてきているVSOのお薦めのコンサートは、マーラーの記念すべき傑作『交響曲第9番』!!(5月24日、26日)。
音楽監督14年めのトーヴィー氏指揮によるVSOの演奏をご期待ください。
2013-14年シーズンの締めくくりにはグラミー賞に輝いたジェームス・エーネス。エルガーの『ヴァイオリン協奏曲』(6月14日、16日)。シーズン最後のコンサートをお忘れなく!!
VSOポップも好評
幅広い分野でオーケストラを楽しめるのもVSOの魅力のひとつ。
大型スクリーンに写る壮大な映像が美しいゲームのサウンドトラック『ゼルダの伝説』(10月16日)。
キャリア25年、過去6回グラミー賞に輝いたクリスチャンのポップシンガー、エイミー・グラントが、過去のヒット曲から最新アルバムの新曲までたっぷり聴かせてくれる(4月14日)。
人気のジャズ・トランペット奏者クリス・ボッティも見逃せない(6月11日)。
(取材 ルイーズ阿久沢 / 写真提供VSO)
チケットはwww.vancouversymphony.caまたは(604)876-3434