日本庭園を背景に
今回のファッションショー&即売会が開かれたのはバンクーバー市内の個人宅。カナダを代表する建築家アーサー・エリクソンが約30年前に設計したもので、鯉のいる池を囲むような落ち着いた庭園が日本情緒をかもし出している。
ファッションプロデューサー、ケイコ・ボクソールさんから指導を受けたモデルたちが、庭から正面玄関へと続く木目の橋を渡り、歩いて行く。
明るい光の入るリビングルームの壁にディスプレイされた着物。招待客の半数以上が日本人以外であることから、和服姿のまい子・ベアさん(日本文化芸術専門家)が、まず着物について説明した。

 

無駄のないリバーシブルなデザイン
総絞りや友禅の留袖ドレスなど豪華なもののほかに、チュニックのトップなど、気軽に着られる作品も。背中に残した家紋も粋なアクセントとして好評だ。
モデル役のティナさんは「リバーシブルで着られるデザインが多いので、フレキシブルですよ」と活用度を強調。
「絹のやさしさ、色づかいにとても興味があります。今日買ったものはトップとしてもスカーフとしても利用できそうで楽しみ」と文江ブランド・ファンのスーザンさん。

 

リサイクル、リメイク
日本で買い付けた反物や羽織り、着物をほどき、水通しをしてアイロンをかける。着物地は長さ12メートル、幅35センチ。この布地を無駄にしないように裁断し、色や柄を上手に利用する。こうして丹念に行う手作業が、世界にひとつの作品を生み出していく。
「織りや染めなど元の着物の素晴らしさを見事に引き立たせ、生き返らせています」とまい子・ベアさん。
扱うのは本物のシルク。特に、体にやさしい正絹(しょうけん)に興味があるという。
化学繊維を使っていないから、環境にもやさしい。

 

スカーフひとつでおしゃれ気分
文江さんの作品にはノースリーブが多い。「二の腕」を出したくないという人もいるが、そで付きや、上からカーディガンをはおるとボリュームが増してしまうので、ノースリーブの下に黒のロングTシャツを着ることがお勧めとのこと。派手めな色でも、黒いパンツと組み合わせればいい。発想を変えれば着こなしにも自信が持てるというもの。
「スカーフひとつでも気分が変わります」と話す文江さんは、バンクーバーの人たちはもっとおしゃれをしてほしいと提唱する。

 

(取材 ルイーズ阿久沢)

 

 

文江 ヴォン デーン(Fumie von Dehn)さん
仙台出身。カナダ人と結婚後も仙台を拠点にスタイリスト、レストラン経営などに携わり、2000年ごろから着物からのリメイクドレスを制作。2005年、家族でカナダに移住。
http://www.fumie.weebly.com

 

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