妊娠中から育児までトータルにサポート
バンクーバーで出産と育児をサポートするMosMos Familyを主催する石橋伯子さん。今回、産後のベビーマッサージのクラスを見学させてもらった。クラスは赤ちゃんとお母さんの体重測定から始まる。「妊婦の時から健康を意識し食事やエクササイズのアドバイスをします。ここのベビーマッサージは赤ちゃんの自律神経とホメオスタシスを意識しながら体の機能を高め成長を促し、親子の絆を深めお母さんが育児に自信が持てるようにする技を磨く所です。泣いている赤ちゃんを抱っこして泣き止ませるのではなく、もっと簡単で楽な方法があるんです」とクラスで教えているという石橋さん。お母さんのエクササイズでは体をリラックスさせたり、骨盤矯正や体の不調を改善し産後の体を徐々に元に戻す指導をする。「クラスで発見したお子さんの好きなマッサージの部位を家で実践持続し、赤ちゃんがハッピーになる育児法を身につけます。またここをお母さん同士の交流の場にしてもらえたらいいな」と語る。これまでのイベントでは、春夏ヤードセール、ハロウィーン仮装パーティー、クリスマスパーティーなどをしている。
このクラスの他にもマタニティヨガとフラダンス、産後体操、マザーコーチングなどと多岐にわたる。マザーコーチングというのは、インド式アーユルベーダやドイツ式リンパケアなどの伝承医学を通じて、脳と心の知育を目指す育児方法とのこと。免疫力を高めて薬に頼らない健康的な生活は、乳児だけでなく誰にとっても大切なものだ。このクラスは育児中の方に限らずどんな年齢層の方でも受けることができる。
頼れるお母さんのような存在
石橋さんがマタニティヨガを教え始めたのは2003年ごろ。バンクーバーの旅行会社に勤めていたが、2001年9月11日の米国へのテロ攻撃の影響を受けて2002年春にはその会社が閉鎖してしまう。次の仕事を探し続けた末、思いついたのがヨガだった。椎間板ヘルニアを患った時、勧められて始めたヨガをずっと続けていたのだ。そして当時まだやっている人がいなかった日本語でのマタニティヨガを教えてみようと、日本とカナダでインストラクターとしての資格を取った。日本ではマタニティヨガは医師が助産師や看護師に教えるものであり、助産師ではない石橋さんはコースを受けることすらも断られてしまう。そのうち「カナダで教えるが日本では教えない」ことを条件にやっと受講させてくれる許可をもらった。カナダのマタニティヨガのコースはリラックスする方法を学ぶことが基本だという一方、日本の場合安産を目指すためのもので、内容がかなり異なる。「両方を見れたのは良かったです。違いを知った上で自信を持って日本式を取り入れることができるようになりました」という。
マタニティヨガを教えるうちにドューラについての問い合わせも受けるようになってきた。そこでシアトルの助産師養成学校でコースを取ったり、ボランティアでドューラの仕事をして経験を積んでいった。本格的にドューラサービスを提供するようになったのは2005年のことで以来370人以上の妊婦さんの出産のお手伝いをしてきたという。混同されやすいが、助産師(ミッドワイフ)というのは赤ちゃんを取り上げるほか、薬の投与指示や内診などの医療サポートをするが、ドューラは出産のコーチであり陣痛を乗り切るサポート・アドバイスをしたり、精神面でのサポートなどをする。
「出産後よく頂くコメントが『私のお母さんみたい』なんです。そんな風に感じてくださり嬉しく思います」と石橋さん。現在、MosMos Family以外でもクリニックで安産のためのクラスを教えたり、霊気マスターとして霊気ヒーリングにも力を入れるなど様々な活動をおこなっている。
(取材 大島多紀子)
2012年6月21日 第25号 掲載
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