5月15日にウエストバンクーバー市ホリバーン小学校で、NPO子供地球基金が主催したワークショップには、同校の6、7年生28人が参加した。
このイベントは、2011年3月の東日本大震災から2年経ち、いまだに仮設住宅で暮らし、仮設の学校で勉強している、東北地方の子供たちを励まそうと、子供地球基金が世界の子供たちに呼びかけて、実現した。縦3m横6mの帆布に、世界11カ国の子供たちが、それぞれの思いを描き、一つのアートにするという試みだ。
その皮切りに、同校の代表6人が協力して、「青空と自然の下、カナダの子供たちが、世界の子供たちと助け合う」気持ちを表そうと、筆を振るった。
25周年を迎えたNPO子供地球基金は、「アートを用いた心のケア」に力を注ぎ、9.11テロ後のニューヨーク、アフガニスタンなどで、画材を提供し、子供たちが、心の奥の思いを絵に描くことによって、心のケアにつなげるワークショップを行っている。東日本大震災後は、東北地方でのワークショップも数多く開催し、多くの子供たちが参加した。
代表の鳥居晴美さんが、子供たちが描いた作品は、カードなどにして販売され、収益金を世界中の子供たちに還元する、『Kids Helping Kids(子供たちが子供たちを救う)』という取り組みなどを、ホリバーン小学校の生徒に紹介すると、子供たちは熱心に聞き入っていた。
ホリバーン小学校は、全校生徒230人という小規模校だが、 ボランティア活動にも積極的に取り組んでいる。今回のプロジェクトも、同校で取り組む、ボランティアの主旨に通じると、参加を快諾した、とブレイディ校長は語った。
またワークショップでは、画用紙いっぱいに、それぞれの子供が思いを描いた。
ビデオメッセージも撮影され、ボアナ・ナデーリ君(13)は、「僕たちカナダが日本をサポートする、という気持ちを鳩の羽で表した」、ミア・ノニさん(12)は、「いじめをなくして、地球の平和を」と絵に込めた気持ちを伝えた。
帆布は、3カ月をかけて、11カ国を巡り、各国の絵が加えられ、最後に、宮城県亘理町(わたりちょう)の子供たちが、絵の中心に、「地球」を描いて完成する予定。完成後は宮城県亘理町の仮設の町役場に展示される。
取材 大倉野昌子
子供地球基金 : www.kidsearthfund.jp