伝説の日系人野球チーム『朝日軍』をベースにしたセミドキュメンタリー漫画『バンクーバー朝日軍』(原秀則著)の単行本第1集が、このたび小学館より発売された。
同作品は昨年7月より小学館『ビッグコミックスペリオール』誌(月2回発行)で好評連載中で、原作は朝日軍の活躍を日系人の歴史とともに綴ったノン・フィクション『バンクーバー朝日軍』(テッド・Y・フルモト著)。
第二次世界大戦前の27年間、シニア・アマチュア・リーグで数々の優勝を手にした朝日軍は、差別と貧困にあえぐ日系人に希望と誇りをもたらした。フェアプレーに徹し、白人からも称賛と人気を得たものの、太平洋戦争により解散を強いられた。
「日本の若者に、朝日軍の、日系人の生き様を伝えていきたい」と、昨年5月に当地を訪れた小学館取材チームは、パウエル球場があった旧日本人街を歩いてまわった。日系博物館、弊社編集部を訪ね、1910年代の写真や資料を収集。作品には、現在もバンクーバー界隈に残る古い建物などが原氏の巧みなタッチで描かれている。
将来は英訳本を出版し、カナダの人にも読んでもらいたいとのこと。
(取材 ルイーズ阿久沢)
バンクーバー朝日軍
原秀則 著、テッド・Y・フルモト 原作(小学館)
定価:本体552円+税 ISBN978-4-09-184889-5。
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