2019年6月6日 第23号
今年の「ノースショア・カナダ・デー・パレード」の中に法被姿の日本人グループが見えたなら、それは千葉県千葉市とブリティッシュ・コロンビア州ノースバンクーバー市(以下NV市)の友好の証だ。–––両市の姉妹都市提携50周年を記念して、日本カナダ友好グループがパレードに出場する。この企画の立案実行に当たるのは日本カナダ商工会議所である。同会議所がテーマに掲げる「日本とカナダをつなぐ」は、過去にない形で展開を始めている。
日本カナダ商工会議所の活動のキーワード
千葉市とNV市のつながり
1969年に姉妹都市となった両市の間では、1970年から毎年交換留学プログラムが実施されており、今年8月にも5名ずつが1週間の予定で交換留学を実施する。(カナダ側はノースバンクーバーのライオンズクラブが運営)。また友好のシンボルとして1986年には千葉市からNV市内のウォーターフロントパークに「千葉庭園」という日本庭園が贈られた。
パレード参加者募集中!
こうした両市の交流50周年を祝してパレードに出場する日本カナダ友好グループには、Jポップのダンスグループ、千葉市への交換留学を経験したカナダ人たち、そして日本カナダ商工会議所の会員や、バンクーバーの語学学校に留学中の有志が参加予定である。そして同会議所では、さらに浴衣や忍者などのコスチュームを着てパレードを盛り上げる一般参加者を募集中だ。(受付窓口This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.)
千葉庭園での姉妹都市50周年記念セレモニー
同会議所は千葉庭園での祝賀行事も企画している。8月11日、晩香波櫻會が神輿を出して祝いのセレモニーを行った後は、千葉庭園を設計した伊藤敏雅さんが庭園を紹介、そして造園業のオガワ・ランドスケープ・デザイン代表の小川隼人さんの指導で庭園内を清掃する計画だ。清掃活動に当たるのは千葉からの訪問団とノースバンクーバーのライオンズクラブの有志、日本カナダ商工会議所の会員たちの予定である。
理事各自の持ち味を生かして
姉妹都市の絆の強化に注力する同会議所は、和歌山県美浜町での企画にも着手している。背景にはどんな思いがあるのだろう。同会議所会長代行のサミー高橋さんはこう語る。「日本カナダ商工会議所の初代会長の故小松和子さんは、ビジネスを中心に日本とカナダを結んでこられました。その小松さんから8年ほど前に自分が理事の任命を受け、今ではこうして会を引き継ぐ立場になった自分が会に寄与できることは何かと考えると、それはビジネスもさることながら文化や教育でした。周りの理事の人たちもサポートしてくださっていることから、そうした分野での日本カナダの友好関係の促進にも注力していこうと思ったのです」。
理事各自の持ち味を生かす動きは、今年度に始まった同会議所の注力ポイントだ。各理事が持ち回りで行事を企画。そして「せっかくなら楽しく」と、にぎり寿司の教室など、自由な発想でイベントを行いながら、日本とカナダ、日系コミュニティー、そして会員の発展に貢献できる会のあり方を模索している。同会議所の今後の動きに注目していきたい。
(取材 平野香利)
千葉市役所にて、同市役所国際交流課の皆さんと同会議所のサミー高橋さん (写真中央)
ノースバンクーバー市からバンクーバーを望めるウォーターパーク
千葉庭園でサミー高橋さん、設計士の伊藤敏雅さん、日本カナダ商工会議所・副会長の東敏隆さん