2019年5月30日 第22号
5月26日、ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の日系文化センター・博物館のホールで、第48回卒業式並びに学芸会が開催された。第一部は、幼稚園から小学2年A組・基礎科の学芸会、第二部が、小学科、中学科、高等科の卒業式、第三部が、小学2年B組から高等科上級の学芸会の3部構成。第一部と第三部の学芸会は、司会をはじめ舞台装飾などをすべて生徒自らの手で行った。現地校での授業、それ以外の習い事や運動、そして日本語学校での勉強、宿題、そんな中で学芸会の練習も行ってきた。その成果の発表であった。
令和に卒業する小学科、中学科、高等科の生徒と職員
在バンクーバー日本国総領事館 羽鳥隆総領事からの祝辞 (代読:児玉隆司領事)
「現地校での普段の授業との両立は、本当に大変で根気のいることだったろうと思います。でも、本日の卒業の日を迎えられ、達成感を感じておられることでしょう。なかには毎週の宿題などからようやく解放されることを喜んでいらっしゃる方もいるかも知れませんが…いずれにしましても、ご卒業のお喜びを申し上げます。今後も是非、日本語・日本の文化を学び続けていただきたいと思います。また、保護者の皆様にも心からお祝い申し上げます。毎週の送迎や宿題の手伝いまで、ご苦労も多かったことと思います。それでも日本語・日本の文化を学習・継承させたいと、今日まで支援されてきた熱意に改めて敬意を表します。本日まで、グラッドストーンで学んできたことは、どのようなかたちになるかはわかりませんが、きっと、お子様方の将来に肯定的な影響をもたらすものと信じています」と一言一言噛み締めながらのスピーチは、卒業生をはじめ、保護者の胸に染み渡ったことだろう。
また、学園との縁について、総領事館130周年記念ロゴは学園の生徒の作品が選ばれたことを付け加えられた。
卒業生の言葉も「現地校と日本語学校での勉強、宿題そしてスポーツ、音楽などの習い事、さらに日本語能力試験へのチャレンジなど、本当に忙しかった。ときには、心が折れそうになった。そんな時、グラッドストーンの先生や両親の励まし、友達との支え合いで、乗り越えてこられました。ありがとうございました」。
また、高等科の中には、六年生から自分でバスやスカイトレインに乗って雨や雪の日にも通ったこと、テストで成果が出せなかったときも先生に頑張り屋だと励まされたことなど、発表者それぞれがやり遂げた爽快感に満ちたスピーチであった。
グラッドストーン日本語学園村上陽子園長の『贈る言葉』
謝辞の言葉とともに、卒業生への『贈る言葉』として、次のように述べた。「日本語で最初に習う五十音の『あ』から始まる大切な3つ言葉を贈ります。まず一つ目が『あいさつ』です。学園で『おはよう』と言うあいさつは、言った人も聞いた人も幸せな気持ちになれます。あいさつは、出会いも増やすものです。2つ目は『ありがとう』の言葉。先ほどの卒業生たちの言葉の中にもたくさん出ましたが、感謝の気持ちを声に出して伝えることがとても大切です。3つ目は、『あきらめないこと』。先ほど、児玉領事が述べられたように、大変だったこともあきらめず、到達したときの達成感は素晴らしいものです。これからも困難なことにも遭遇することがあるでしょうが、夢や目標を実現できるよう諦めずに乗り越えてください」という熱意を込めたスピーチは、卒業生たちの心にいつまでも残ることだろう。
(取材 笹川 守)
小学科1年生 歌と踊りの「大きなかぶ」
4歳児 小人の衣装で踊る「ハイホー」
小学科4年生による衣装も背景も本格的な「わらしべ長者」の劇