2019年5月2日 第18号

長年日系コミュニティーのために尽力した林光夫さん(日系センター元会長、現理事)夫妻が、人生の次のステージに移るにあたり日本への帰国を決心した。4月27日、ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の日系文化センター・博物館で林さん夫妻の送別会が開かれ、約60人の参加者が林さん夫妻に惜しみない感謝と別れの挨拶を交わした。

 

日系コミュニティーから感謝の楯を贈られた林光夫さん・恵美子さん夫妻。さまざまな団体の理事や役員をボランティアで務めた林光夫さんは2007年に外務大臣表彰、2012年に旭日双光章を受章した

 

日系プレース建設に貢献

 冒頭で挨拶した日系文化センター・博物館事務局長のロジャー・レミレーさんと、同理事長の五明明子さんは、林光夫さんの数え切れないほどの貢献と奉仕活動に感謝を述べるとともに、はなむけの言葉を贈った。

 1988年にカナダ政府による戦時中の日系カナダ人に対する謝罪が行われ、補償金交付とともに始まった日系コミュニティーのための施設建設計画。1993年に日本鋼管(現JFEスチール)事務所長を最後に退職した林さんは、夫婦でカナダへ移住。ロバート・バンノさんとゴードン門田さんに誘われ、この募金活動に加わった。BC州や連邦政府からの補助金、多くの個人や日本・カナダの企業が募金に協力し、1998年に新さくら荘、2000年に日系文化センター・博物館、2002年に日系ホーム(現:ロバート新見日系ホーム)が完成した。

 

あふれる感謝のメッセージ

 25年前に日系プレース建設設立委員として林さんと知り合ったキャシー・マキハラさん(日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会事務局長)は、「データやレポート作成など、林さんが細かな仕事を担当してくれました。カナダ生まれの日系人と日本から移住した日本人との間の、細かな配慮をしてくれたのも林さんです」と話し、訪日中のゴードン門田さんからの感謝と激励のメッセージを読み上げた。

 グレン田中さん(ロバート新見日系ホーム理事)は「リーダーシップと寛容さを兼ね備え、下準備的な仕事も進んでしてくれました」と感謝の言葉を述べ、日系センター補助グループ『オグジラリー』メンバーのフランク神谷さん(元日系文化センター・博物館理事、日系博物館設立メンバー)が「『サンタと朝食』や『餅つき』での司会などを積極的に手伝ってくれて、日系コミュニティーを自分の子どものように大切にしてくれました」とスピーチした。 林さん夫妻の功績を綴るスライドショーに続いて、林さんが英語で謝辞を述べ、林さんの姪の伊原香代子さんが「ありがとう」とメッセージのついたおせんべいを参加者に配った。

 会場には「林さんの貢献や奉仕の気持ちに感謝せずにはいられません」と送別会に駆けつけた日系シニアの夫婦など、林さん夫妻に感謝の思いを告げる人たちの列が続いた。

(取材 ルイーズ阿久沢)

 

林光夫さん・恵美子さん夫妻(前列)と日系プレース3団体代表者のみなさん。(後列左から)グレン田中さん(ロバート新見日系ホーム理事)、キャシー・マキハラさん(日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会事務局長)、ロバート・バンノさん(日系プレース基金理事長)、五明明子さん(日系文化センター・博物館理事長)、ロジャー・レミレーさん(日系文化センター・博物館事務局長)

 

送別会には約60人が参加。中央左が林光夫さんと妻の恵美子さん、右隣が林さんの姪の伊原香代子さん

 

林光夫さん夫妻の日系コミュニティーへの功績を称えるスライドショー

 

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