2019年4月11日 第15号
やっぱり勝てなかった。LAギャラクシーの圧倒的な強さの前に完敗したわけではなかった。しかし白星は遠かった。
バンクーバー・ホワイトキャップスFCは4月5日、BCプレースにLAギャラクシーを迎えた。前週のシアトル・サウンダーズFCに続いて、開幕から好調を維持する2チームとの連戦。ここでひとつでも勝てればチームに弾みが付いたのだが。
2点目をあげたLAギャラクシーFWイバヒノビッチ(右)とホワイトキャップスMFフィリペ(Photo by Preston Yip)
4月5日 (BCプレース:22,120)
バンクーバー・ホワイトキャップスFC 0―2 LAギャラクシー
試合開始早々の1分、ホワイトキャップスはPKのチャンスをつかむ。しかしDFアドナン(#53)がこれを外して絶好の得点好機を逸す。試合が動いたのは63分。ギャラクシーDFステレス(#5)が決めて1-0。71分には1点目のアシストをしたFWイバヒノビッチ(#9)がゴールし2-0と突き放した。
前半は今季一番の内容、しかし得点力に欠ける
前半は少なくとも3回の得点チャンスがあった。最大のチャンスは開始1分のPK。これを決められなかったのが、結局最後まで響いた。
PKを蹴ったのは前週がホワイトキャップスデビューだったDFアリ・アドナン。今年3月にイタリアのサッカーリーグセリエAウディネーゼ・カルチョから6月末までのレンタル移籍で加入。MLS初のイラク出身選手としても注目され、ホワイトキャップス期待のレフトバックだ。
しかしこの絶好のPKチャンスでアドナンが試みたパネンカは、この日何度もホワイトキャップスの前に立ちはだかったギャラクシーGKビンハムに阻まれ失敗に。結局はここがこの日の試合の流れを決めるポイントとなった。
マーク・ドス・サントス監督は「前半はすごくよかった。今シーズンで一番いい前半だった」と語った。0-0と引き分けた前週のサウンダーズ戦でも動きの良さを評価していた監督。この日は、「ペナルティでゴールできなくてがっくりきたが、その後2回チャンスがあってそれでも0-0だった」と先制の機会を生かせなかったと振り返った。
前週から先発出場しているMFラッセル・テイバート(#31)も「先取点を取れれば試合の流れがこっちにくるし、一般的にいって試合を有利に作ることができる」と語り、PK以外にも前半の好機で得点できなかったことを悔やんだ。
相手の先制点が、この日の分岐点だったと監督。「後半の相手の先制点はかなり精神的にダメージだった。ただこれは自分たちで招いた失敗だった」と語った。
「少しずつ進歩している、努力するしかない」
MFフィリペ(#8)はここまで未勝利も、チームとしては少しずつでも進歩していると前向きに捉えた。これまではチャンスすらつくれていなかったが、前週はサウンダーズに無失点での引き分け、今週も「前半はボールのコントロールもよかった。(PKが決まって)1-0なら分からなかった」と振り返った。
自分たちを信じていると語り「長いシーズンなので、これから努力するしか(勝てる)方法はない。自分たちは報酬をもらってプレーするプロなのだから自分たちにプレッシャーをかけて努力するしかない」と繰り返した。
前週のサウンダーズとの一戦は0-0の引き分け。ホワイトキャップスにとっては開幕から初めて負けなかった試合で、勝ち点1が付いた。ドス・サントス監督にとっては、ホワイトキャップス監督としての初ポイント。次に目指すは初勝利。「自分は(選手)全員を信頼している。良くなるかと言われれば良くなる。まちがいない」と前を向いた。
4月・5月のホームゲーム
4月17日(水)7pm ロサンゼルス・フットボールクラブ戦
4月27日(土)2pm フィラデルフィア・ユニオン戦
5月10日(金)7pm ポートランド・ティンバーズ戦
5月15日(水)7pm アトランタ・ユナイテッドFC戦
5月25日(土)4pm FCダラス戦
5月31日(金)7pm トロントFC戦
(取材 三島直美)