2019年3月21日 第12号

3月9日、ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の日系文化センター・博物館で、ジャパンボウル・メトロバンクーバー大会が開催された。ジャパンボウルは1992年にワシントンDC日米協会が設立した、日本語や日本についての知識を競う大会で、現在ではヨーロッパの国々やメキシコなどでも行われている。メトロバンクーバー大会は、JETプログラム同窓会(JETAA)が主催し、昨年カナダで初めて開催された。

 

優勝チーム 「華麗なカレー」

 

日本に対する関心を促進

 ジャパンボウルでは、メトロバンクーバー地域の日本語を学ぶ高校生が2〜3人で1グループを作り、クイズに挑戦する。今年は、11チームが参加、そこにJETAAの有志4チームが加わった。問題は、日本の歴史、習慣、食べ物、文学、芸術、ポップカルチャーなど多岐にわたり、幅広い知識が要求される。読み上げられる質問に対する答えを解答用紙に書き込む形式で、この予選を勝ち抜いた3組が午後からの決勝戦に臨む。

 開会式では多田雅代在バンクーバー日本国総領事館首席領事が挨拶、「皆さんの日本についての知識を披露してもらうことが楽しみです。ぜひ、この大会の後も日本に対して興味を持ち続けていってください」と述べた。その後、和太鼓グループDahazaがパワフルな太鼓演奏で盛り上げた。

 予選、決勝戦ともに問題の出題は、昨年同様、ニコラス・スタートバントさんが担当した。日本語での出題を担当した須藤三香さんは、JETAAの日本語クラスを教えているという。予選終了後には、カナダ弓道連盟バンクーバーの活動を紹介したショートフィルム(昨年VAFFに出品)が上映された。そして、現役高校生パフォーマーのKumoriさんがアニメソングに合わせてダンスを披露。大会に出場する友人の応援も兼ねての出演ということで、自身も日本語を勉強しているという。かわいらしい衣装はなんとすべて自分で作ったという。

 

今後に続く大会を

 昼休憩の後は、バンクーバー祥門会による合気道のデモンストレーションが道場で行われた。同会代表の清田勝さんによる詳しい説明と、迫力ある実技に、みな引き込まれていたようだ。その後、総領事館のスティーブ・シュバリエさんがMEXT(日本政府文部科学省の英語名の略語)奨学金やJETプログラムについて説明した。また、JETプログラムで日本に滞在経験のあるエミリー・ウーさんが自身の滞在経験を話した。

 そして迎えた決勝戦。まずは読み上げられる質問に対しての答えをボードに書いて掲げる。多田首席領事ら5人の審査員がその正誤を確認、正解すればポイントがつく。続いて、早押しクイズ。質問が終わらないうちに素早くボタンを押して正解する出場者もいて、スピード感があった。

 決勝戦で優勝に輝いたのは、ポートムーディー・セカンダリースクールの「華麗なカレー」チーム。2位はR.A.マックマス・セカンダリースクールの「チームトモキ」、3位はエリックハンバー・セカンダリースクールの「ケトル」となった。問題の出題者を務めたスタートバントさんは、「出場者の皆さんが熱心に取り組んでいたのが印象的でした。質問の中には難しいものもあり、もしかしたら日本の人も分からないものがあったかもしれません。学生たちはよく勉強してきたと思います。日本語を学んでいる学生同士の交流という意味でも、この大会は素晴らしい機会だと思います」と話した。

 2回目を迎えてますます内容も充実してきたジャパンボウル、毎年の開催として定着することが期待される。

(取材 大島多紀子)

 

 

第2位チーム 「チームトモキ」

 

第3位チーム 「ケトル」

 

多田雅代在バンクーバー日本国総領事館首席領事

 

パフォーマーの Kumoriさん

 

合気道 デモンストレーション

 

問題出題者のニコラス・スタートバントさん(右)と須藤三香さん

 

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