2019年3月14日 第11号

詐欺と思われる事例が弊社に報告されています。 以下は、ワーキングホリデーでバンクーバーに越してきたIさんが実際に被害に遭った、ルームシェア探しでのトラブル情報です。

 最近流行りのLandlord/Housing Contract詐欺に多いものと思われますが、ネット上の物件投稿サイト(比較的綺麗な写真や価格帯も高い物件が並ぶサイト)を利用して被害に遭いました。

 投稿サイトが悪いわけではなく、投稿されている情報の中には詐欺も紛れている可能性があることを知っていただきたい一例です。

 利用した投稿サイトでは、比較的高い物件が並ぶ中で、目を引くほど安く(学生、ワーホリの方々にはうってつけの限られたBudgetにもってこいの価格帯$700〜800/Monthほど)、立地も写真も文句なしの「良すぎる条件」での投稿にコンタクトをしてしまったところから本件は始まりました。

 ルームシェアの可能性がありそう、契約条件が厳しいなど、ワケありの可能性も踏まえてまずは連絡しましたが、以下の流れで詐欺と判明しました。

 

◆今回の事象/詐欺と判明するまでの流れ

1. ネットサイトより、気になる物件のオーナーに投稿サイトの連絡機能を使って連絡

2. 今回の投稿サイトでは、連絡機能内で連絡側個人のメールアドレスも公開しているシステムであったため、オーナーより個別メールにて返信を受領

※注意点:基本的にはサイトを介した連絡を限りなく続けて、信憑性を確かめられるシステムをオススメします。サイト外で行われた個人間の連絡は、サイト運営側もセキュリティ管理や監視ができないことが多いと注意書きがあるためです。ファーストコンタクトでどこまでの情報を伝えるかは注意が必要です。日本人は優しい、お金がある等と思われることが多いので、日本人であることを最初から伝えない方が良いと思います。身分を話した途端、以前にも日本人を泊めたことがある、日本人は皆いい人でありがたいなど適当な親しみやすい会話などを交えてくる可能性もあります。

3. オーナーからの返信では、丁寧に物件の購入背景(もともとは娘のために購入したため、お金を儲けることを考えていない等)やオーナー個人の職業や年齢等を共有してきました。信頼を図る作戦だと思われますが、注意点としてはオーナー本人は「現地にはいないため、内見はできないこと」です。

「I am not there/ I am not in town - and the place cannot be viewed beforehand」に関連することが交えてある場合は要注意です。(他のケースでも同じことを言ってくる管理人は大体が詐欺のようでした)

※注意点:物件契約前にはやはり内見を重視したいところですが、雰囲気を知るためだけではなく、一緒にシェアをする相手や物件やオーナー自体が実在するのかを確かめるためにも必ず内見希望を出すことをおすすめします。

4. 上記のファーストコンタクトに返信した後、先方から先にオーナーのパスポートコピーと数枚本人の個人写真が送られてきました。(オーナーがどんな人かわかるようにと)

 メールアドレスの名前、パスポートの名前・年齢、パスポートの写真と個人の写真もすべて一致しており、一見信頼できそうに思えたやりとりでしたが、契約方法に注意です。

 契約には、お互いのセキュリティ上、A社(民宿仲介大手オンラインサイト)を仲介会社として利用すると言ってきます。ちなみにA社にはそのようなサービスは存在しません。

 下記個人情報を送ったのち、その情報をA社に転送し、A社より一時金と1カ月分の契約金額の請求連絡があるので、A社経由で支払と契約を進める指示があります。

 また、ここで信じてしまいそうになるのは、A社という信頼できる会社の登場と、たとえ内見ができなくとも、部屋が気に入らなかった場合はA社より返金手続きができる、など後戻りも可能な安全性を感じさせられます。

※私自身はここまで信じてしまい、下記の情報を送ってしまいました。

<聞かれる情報>
・Full Name
・Address
・Phone Number
・A社 ID (Username)
・Photo ID

5. その後、上記の情報を送ったあとに、A社になりすましたメールアドレスより、A社のロゴ入りテンプレートメールで請求要求が届きます。

 ここで支払いをしてしまうと、詐欺にひっかかり、14万円ほど盗まれ終わってしまいます。上記の流れまでは相手の名前やアドレスで類似被害がGoogle検索上もあがってこなかったため、私自身は個人情報まで送ってしまう残念な結果となってしまいましたが、#5の連絡で利用されていたA社なりすましアドレスと対応は、今飛び交っている被害の報告として類似事例が多くあがっていますので、今後この流れに似たやりとりに出くわした方は注意が必要です。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。