2018年10月4日 第40号
9月27日の夜、カナダのキム・グエン(Kim Nguyen)監督の映画『The Hummingbird Project』と共にバンクーバー国際映画祭2018(VIFF)が幕開けした。
バンクーバー市長のGregor Robertson氏とVIFFディレクターのJacqueline Dupuisさん
カリスマ性のある俳優たち
VIFF初日のレッドカーペットといえば、リムジンで次々と到着するカナダの俳優たちを想像する。数多くの賞がカナダとBCの映画を対象にして選ばれるため、俳優にとってVIFF初日のレッドカーペットは欠かせない。ドラマ『Snowpiercer』の出演俳優たちの総出演はとても華やか。外で遠目に見ているファンの声援に大きく手を振りながら歩く姿も様になっていた。またこの日、VIFFのディレクター、Jacqueline Dupuisさんやバンクーバー市長のGregor Robertson氏も、監督や俳優たちと一緒に映画を鑑賞した。
日本映画について
初日、VIFFの日本・韓国映画のプログラムコンサルタントのマギー・リー(Maggie Lee)さんに日本映画についてのお話を聞いた。マギーさんは大手映画雑誌Hollywood Reportersや東京国際映画祭などで活躍し、今も映画雑誌Varietyのアジア映画部門のチーフ批評家だ。
どの映画祭でもアジア映画部門のスロットが限られているが、VIFFでは特に「プレミアでなければいけない」という規定がなく、自由に良いアジア映画を選べると彼女は答えた。今年もVIFFならではのビッグバジェットな映画やインディー映画を推薦してくれた。
まず是枝裕和監督の『万引き家族』は感動の中にユーモアがあり、カンヌ国際映画祭で最優秀賞を受賞している。そして偶然にも先日亡くなった大女優・樹木希林の追悼映画になったもう一本、沖田修一監督の『モリのいる場所』が上映される。また昨年来加した吉田大八監督の『羊の木』はこれまでの監督のイメージを変える作品だそうだ。上田慎一郎監督の『カメラを止めるな!』は素晴らしく迫力満点で、漫画ファンは細田守監督の『未来のミライ』、恋愛好きは濱口竜介監督の『寝ても覚めても』が見逃せない。
キャンセルが相次ぐ中、今回唯一日本から来加してくれる廣木隆一監督。海外で特に人気がある監督だが、この映画では特に女性に優しいそうだ。映画『ここは退屈迎えに来て』で主演女優の橋本愛さんと一緒に来加する。VIFFにヘアーやメイクを予約している大物女優は珍しく、 彼女のレッドカーペットと舞台挨拶は大イベントとして見逃せない。
VIFF映画祭は10月12日まで続くのでチケット購入はお早めに。
(文:Jenna Park)
映画コンサルタントのMaggie Leeさん
The Hummingbird ProjectのKim Nguyen監督