スティーブストン剣道クラブが主催する剣道大会が、今年で50回目を迎えた。カナダの剣道の歴史にも大きな節目ともなった今回の大会。その記念パーティが2月12日、スティーブストン・コミュニティ・センターで開催され、大会関係者ら約90人が集まった。

前日(2月11日)に行われた大会には、ハワイをはじめアメリカやカナダの38道場から約350人の剣士が集い、技を競い合った。その関係者を含めると500人近い人々がこの大会に関わり、いまや北米で最大の規模を誇る大会になっている。

会場には、戦前から続くスティーブストンの剣道の歴史を綴った写真のコーナーも設けられた。中には戦争中の収容所でも稽古に励む姿もあり、この地での日本人と剣道の長い歴史の一部を垣間見ることができた。
スティーブストン剣道クラブ会長のケルビン・ヒゴ氏の開会の挨拶に続く食事では、各地から集まったメンバーが互いの親交を深めた。その後、同クラブ指導者のレイ・ムラオ先生(七段)が「歴代の先生方をはじめ、スティーブストンの日系人コミュニティの支えがあったからこそ、ここまで来ることができた。次の時代を担う若い人たちに、この良き伝統が継承されていくことを切に願います」と挨拶を述べた。
トロント剣道クラブ指導者の木村重男先生(七段)は「素晴らしい大会でした。これからも、カナダの剣道発祥の地であるスティーブストンから剣道をどんどん盛り上げていってもらい、これからの50年の歴史を作っていって欲しい」と今大会の感想を語ってくれた。
長年クラブの運営に関わってきた村尾俊夫氏は、昔は遠方からの参加者のために、地元の日系人コミュニティが総出で自宅を宿泊施設として提供していたなど、当時の様子を語ってくれた。「スティーブストンをあげてのお祭りでしたね。そういう気持ちでなかったら続いていかんかったやろ」と、わが子の成長を喜ぶような村尾氏の笑顔が印象的だった。

(取材 平野直樹)


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