2018年6月28日 第26号
日系人強制収容75周年記念レガシープロジェクトの表示板除幕式が、5月11日にブリティッシュ・コロンビア州リルエットで、6月15日に西クートニー地区のスローカン、ニューデンバー、カスローで行われた。 BC州の8カ所で除幕式が予定され、第1回はタシメ(現サンシャインバレー)で昨年10月27日に行われた。今後は7月と9月に行われ、プロジェクトが一応完了する。
多くの日系人と一緒に西クートニー地区スローカンでの除幕式。2018年6月15日 (Photo courtesy of Howard Shimokura)
2つのプロジェクトの合同式典となったリルエット
リルエット近郊には自立収容所が5カ所あった。東リルエット、ミント、ブリッジ・リバー、マックギリブレーフォールス、テイラーレイク。
リルエットではレガシープロジェクトとほぼ同時進行で、独自の「リルエット日系人強制収容所記念展示プロジェクト」が、鹿毛真理子さんを中心に行われていた(鹿毛真理子さんインタビュー「リルエットと日系社会の架け橋として」2018年2月22日号掲載)。
今回は、この2つの記念プロジェクトの式典が合同で開催された。高齢になった強制収容経験者が両式典に参加できるための配慮だった。
この日は、多くの収容経験者や、その家族とともに地元の子どもたちも参加、約350人が集まった。その中には、日本語を話せる医師として日系社会に貢献した堀井昭さんや、戦前バンクーバーで一世を風靡した野球チーム・バンクーバー朝日の元選手上西ケイさんも、この地での強制収容経験者として参加した。
ここはレガシープロジェクト実行委員会委員長ローラ・サイモトさんにとっても特別な場所だ。母親側の家族はブリッジ・リバーから東リルエットへ移動、父親側の家族はミントで暮らしていたという。今回は85歳の母親と一緒に参加した。「特別な思いがあった」と語った。
西クートニー地区3カ所は、強制収容された日系人が最も多い地区で知られている。約1万人が暮らしていたという。この日は約200人が式典に参加した。
リルエットでは岡井朝子在バンクーバー日本国総領事が、西クートニー3カ所ではBC州政府トム・シピトカ議員が参加した。
サイモトさんは、このプロジェクトを通して日系の歴史を知ってもらい、こうしたことが二度と誰にも起こらないよう教訓にしてもらいたいと語っている。
日系人強制収容75周年記念
レガシープロジェクト
2016年のBC州政府による日系人歴史遺産登録事業をきっかけに、昨年の日系人強制収容政策75周年に合わせて、強制収容の事実を後世に残すために表示パネルを各強制収容所跡地に設置するプロジェクト。(詳しくは、「日系人遺産プロジェクト委員会インタビュー」2018年4月26日号掲載を参照)
今後の除幕式日程
プロジェクト実行委員会による除幕式は、7月29日、9月7日、9月28日の3回で完結する。詳細は以下の通り。
7月29日(日)グリーンウッド
9月7日(金)ホープ—プリンストン(ロードキャンプ)
9月28日(金)レベルストーク・シカマス(ロードキャンプ)
プロジェクトに関する問い合わせ先
ローラ・サイモトさん:This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.
式典開催のための寄付も引き続き受け付けている。
オンライン寄付サイトはこちら:http://bit.ly/2AiWLNN
チェックでの寄付の場合:Nikkei National Museum & Cultural Center 75th Anniversary Legacy Signage Project;6688 Southoaks Crescent Burnaby BC V5E 4M7
電話による寄付:604-777-2122
(取材 三島直美)
リルエットでの式典の様子。巨大な表示板を前に。実行委員リンダ・リードさん(左端)、堀井さん(左から2番目)、サイモトさん(右から2番目)、上西さん(右端)。2018年5月11日(Photo courtesy of Howard Shimokura)