2018年5月17日 第20号

ことし3月12日に在バンクーバー日本国総領事館から、在ビクトリア日本国名誉総領事(Honorary Consul General of Japan in Victoria)に任命されたデーヴィッド・アラン・ビング(David Alan Bying)氏の披露レセプションが、ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア市のロイヤルBC博物館で5月8日に開催された。

これは今までにない新たなポジションで、当日は幅広い日加の関係者約100人ほどが集まりビング氏の門出を祝った。

 

バンクーバー島の各市長や役員たちが一堂に

 

 周知のようにBC州の州都はビクトリアである。しかし本土とは海峡を隔てている不便さがあり、そのため総領事館はバンクーバー市に設置され業務を遂行している。しかしバンクーバー・アイランドにも、多くの日本人、日系人、また日本と公私にわたり関係の深いカナダ人が住んでいるため、当地に総領事館の代表を置き各方面の便宜を図るのが目的であり、この初めてのポジションに就くビング氏は、37年間BC州政府の仕事に携わっていた。現在は退陣し、ロイヤル・ローズ(Royal Roads)大学の理事会に在籍し学長の特別補佐官を務めている。政府で仕事をしていた頃は、経済ミッションをかねて日本・アジアを数回歴訪しており、国土交通省、農林水産省、教育省などの重要な役職も歴任した。中でも子供の教育には熱心に取り組み、幼稚園からグレード12までの教育システムの改革を行っていた。

 披露レセプションに先駆け岡井朝子在バンクーバー日本国総領事は、「日本とカナダは1800年代に難破船が漂着した頃からの長い関係が続いている。ビング氏は今まで長期にわたりBC州政府で仕事をされ、日本との関係を親密なものに導いてきた。そうした輝かしい経験と幅広い人脈を持つ彼以上に、このポジションの適任者はいない。今後も引き続きその知見を生かし、ご活躍下さることを切望している」と祝辞を贈った。

 これに対してビング氏は、「岡井総領事が私を高く評価して下さり、この名誉ある役職の任務に充てて下さったことを感謝している。もちろん今までの仕事の成果は、自分一人の力ではなく、多くの人の協力によって成し遂げられたものである。これからもこの経験を生かし、両国のさらなる絆を深めるために力を尽くしたい。特に近年は両国間で多くの若い学生たちの往来があるが、教育省で働いた経験を生かして、その方面に力を入れたい。皆さまのご協力をお願いしたい」と返礼した。

 その後は日本のお酒や地産のワイン、ビールなどで乾杯をし、供された日本食を楽しみながら来賓の方々と和やかに歓談した。

 新たなポジションを受けての抱負として、弊社の取材にビング氏は、「今まで37年間政府関係の仕事をしてきた中で、特に力を注いだのはBC州の経済発展と教育関連方面の向上でした。両国は経済的にとても強い絆で結ばれており、貿易相手国として、日本はアメリカ、中国に次いで3番目です。日本をはじめアジア方面には数回足を運んでおり、前BC州首相と共に訪日したこともあります。これからも両国の関係を強固にして、ますますより良い方向に発展させるために力になれたらと願っています。加えてこの島には日本からたくさんの留学生が来て勉強していますし、教育関係者の訪問もあります。そうした方面の関係も強化させたいです」と語った。

 また、BC州の日系人の歴史についても、前向きにいろいろな知識を重ねていきたいと語り、在ビクトリア名誉総領事としての初訪日は、来年の春頃を予定しているという。

 

ビング氏の自宅兼オフィスの連絡先
2588 Crystalview Dr. Victoria, B.C, V9B 6M9
Mobile : 250-889-1016
E-mail : This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.

(取材 サンダース宮松敬子)

 

入り口で来賓を迎える岡井朝子在バンクーバー日本国総領事とデーヴィッド・アラン・ビング在ビクトリア日本国名誉総領事

 

挨拶する岡井朝子在バンクーバー 日本国総領事

 

返礼の挨拶をするデーヴィッド・アラン・ビング在ビクトリア日本国名誉総領事

 

日本国政府の桐紋が入っている名刺

 

 

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