2018年5月3日 第18号
カナダ政府による日系人強制収容から75年となった昨年に行われた第1回「日系人強制収容75周年記念レガシープロジェクト表示板除幕式」。今年の9月で一応の完結となる。
第1回タシメ(サンシャインバレー)での記念式典の様子。2017年10月27日。Photo provided by Japanese Canadian Legacy Project Committee
プロジェクトの目標は、日系人が強制収容されたブリティッシュ・コロンビア州内の収容所跡地に「ここが確かに日系人が収容されていた場所である」ということが分かる表示板を設置すること。
目的は、二度とこうした悲劇が繰り返されることがないように現在から未来への教訓とすること、日系の強制収容を経験した家族を持つ人々への確かな足跡としての癒しの場となること、そしてBC州の、カナダの人々への教育の場となること。「日系人強制収容は人々の差別から生まれた政策。そして差別は時を超え、形を変え、今も存在する」と日系人遺産プロジェクト委員会ローラ・サイモトさんは語った。
2016年BC州政府が実施した日系人歴史遺産登録プロジェクトを基にレガシー委員会が設立され、このプロジェクトを推進。バンクーバーの日系団体や各地域で行われている同様のプロジェクトと連携し、「日系ネットワーク」を構築しながらプロジェクトの完結へと向かっている。(インタビュー記事は4月26日号に掲載)
プロジェクトでは、収容所跡地9カ所に表示板の設置と8カ所での設置式典を予定している。第1回の式典は昨年10月27日にタシメで行われた。そして今後は第2回を5月11日にリルエットで、第3回6月15日ニューデンバー、第4回7月29日グリーンウッド、そして第5回9月(詳細は未定)にレベルストークでの開催を予定している。
プロジェクト委員会は、興味がある人はぜひ式典に参加してほしいと呼び掛けている。また表示板の作成、設置はBC州政府が負担するが、式典に関する費用はプロジェクト委員会が負担する。そのための寄付を受け付けている。第2回から第5回までに必要な費用は約2万ドル。第1回タシメでの式典を基に試算している。達成にはまだまだ遠い。コミュニティの協力が必要だ。
昨年は1942年から始まった強制収容から75周年、そして今年は1988年カナダ政府の日系収容政策への謝罪を勝ち取ったリドレス運動から30年の節目の年となる。日系人に対して行われたこの政策が、どのコミュニティにも二度と起こらないよう思いを改める節目の記念プロジェクトとなる。
除幕式と募金活動の詳細
- 第2回 5月11日(金)1:30pm 会場:Lillooet、強制収容所跡地:East Lillooet, Bridge River, Minto, McGillivray Falls(Self Supporting site)
- 第3回 6月15日(金)強制収容所跡地:New Denver, Rosebery, Sandon; Slocan Extension (Slocan city, Lemon Creek, Popoff, Bayfarm);Kaslo
- 第4回 7月29日(日)強制収容所跡地:Greenwood, Christina Lake, Grand Forks;Hope-Princeton(Road Camps)
- 第5回 9月(詳細未定)強制収容所跡地:Revelstroke-Sicamous(Road Camps)
寄付についての詳細
- オンライン寄付サイト:http://bit.ly/2AiWLNN
- チェックでの寄付の場合:Nikkei National Museum & Cultural Center 75th Anniversary Legacy Signage Project;6688 Southoaks Crescent Burnaby BC V5E 4M7(日系プレースへの寄付と区別するため、必ずLagacy Signage Projectと記載すること。イベントの特定も可能)
- 電話による寄付:604-777-2122
リルエットでの記念式典に関する詳細はこちら http://centre.nikkeiplace.org/2018/04/24/lillooet-legacy-signage-unveiling-event/
プロジェクトに関する問い合わせ先:ローラ・サイモトさん:This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.
(取材 三島直美)