2018年3月1日 第9号

ジャパンボウルはワシントンDC日米協会が1992年に開始した、日本語や日本文化の知識を競う大会だ。ワシントンDC圏内だけの大会からスタートし、現在は「全米ジャパンボウル大会」にまで発展している。2月24日、ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市にある日系文化センター・博物館で、カナダ初のジャパンボウルが、開催された。

 

決勝戦の模様

 

どのチームも大健闘

 ジャパンボウルに出場するのは、高校で日本語の授業を取っている生徒たち。アメリカの大会ではレベル2が日本語学習2年目、レベル3が3年目、レベル4が4年目と、3つのレベルに分かれている。今回開かれたメトロバンクーバー大会ではレベル分けはなく、6校から11チームが出場した。午前中に行われた予選では、日本の歴史、地理、文化など幅広い内容の問題が出され、それに対してチームで答えを導く。この予選を勝ち抜いた3組が午後の決勝戦に臨んだ。

 昼休憩の後、和太鼓グループTaiko 55 from Richmondが演奏した。力強い太鼓のリズムで、ジャパンボウルのカナダ初の開催を祝すとともに、出場者たちの健闘を称えた。その後、在バンクーバー日本国総領事館でJETプログラムを担当しているスティーブ・シェバリエさんが、同プログラムについて説明した。ジャパンボウル・メトロバンクーバー大会は、JETプログラム同窓会BC・ユーコン支部(JETAABC)が主催している。

 決勝戦は出題された問題の答えをボードに書き一斉に提示する形式と、ボタンを早押しして答える形式の2つのパートに分かれていた。最初のパートではチーム内で相談しながら答えを出せるが、2つ目のパートでは個人で答える。問題の内容は、日本語の慣用句や語彙、歴史問題から、ポップカルチャーまでとさまざま。3人の審査員による審査の結果、1位に輝いたのは、キラーニー・セカンダリースクールの「キラーニー・グループ2」。2位はポートムーディー・セカンダリースクールの「団子さん兄弟」、3位はリッチモンド・ハイスクールの「One derful」。上位3組には、アニメレボリューションの入場券、矢口家ラーメンのギフトカード、新渡戸稲造紀念庭園と植物園の入場券、といった賞品が贈られた。

 

今後の発展を目指して

 初めての開催を応援すべくカリフォルニア州から訪れ、問題の出題者も務めたニコラス・スタートバントさんは現地の高校で日本語教師として従事している。昨年、ニコラスさんが率いるチームが全米ジャパンボウル大会で優勝した。「私の生徒たちは、ジャパンボウルに向けて1年間勉強してきました。メトロバンクーバー大会に出場した生徒たちは、数週間の準備期間だったのにも関わらず、とても良くできていたと思います。みな賢く勉強熱心だなと感じました」と語った。

 JETAABCの理事、グレッグ・ジョーキンさんは「初めての開催でしたが、おおむねスムーズに進んだと思います。出場者も集まってくれましたし、みんな楽しんでくれたと思います。ぜひ毎年の行事にしたいです」と感想を述べた。

(取材 大島多紀子)

 

優勝したキラーニー・グループ2。後方はJETAABC理事のグレッグ・ジョーキンさん

 

JETプログラムの説明をする在バンクーバー日本国総領事館のスティーブ・シェバリエさん

 

問題の出題者を務めたニコラス・スタートバントさんは、今回の問題文作成にも一部関わったという

 

 

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