2018年2月22日 第8号

英語学校の経営やグローバルに活躍する人材を育成してきたサミー高橋さんが、3冊目の著作となる「イン・マイ・ライフ」を出版した。お気に入りのビートルズの曲名からタイトルを取った本作は、これまでの人生を振り返る意味で書いたものだという。

 

サミー高橋さん

 

波瀾万丈の人生

 高橋さんが中学校の3年間英語を教わった宇佐美先生は、アメリカ生まれの日系人だった。その先生の指導のもと英語の面白さに魅かれ、先生の母校である高校、大学へ進学する。21歳で1カ月間アメリカを一人旅して、これまで見たことのない世界に遭遇した。アメリカという国が持つ自由の精神に虜になったという。日本の大学卒業後に資金を貯めてアメリカの大学に進学した。帰国してからは複数の英語学校で働くものの、現実と理想のギャップに悩み続けた。そして大手英会話スクールのバンクーバー校立ち上げに携わることになり、バンクーバーに移住したのが39歳の時だ。その後、学校の閉鎖、新しい学校の立ち上げとさまざまな試練を乗り越えてきた。現在は世界展開する英語学校と専門学校の理事を務めている。これまでの人生を振り返り、自分の生き方の根底には家族の愛があるという。また、この本にも登場するベト山内氏と野口久雄氏からは、英語学校の存続が危機にさらされたときや新しい学校設立の際に、資金調達の目途をつけてくれたという恩を受けただけでなく、人生の師として学んだことも多かった。そんなさまざまな出会いについても、この本には描かれている。

 

愛の波動を伝える使命

 高橋さんはレイキマスターでもある。スピリチュアルなことに目覚めたのは、30代後半に『金星から来た人』に出会ったことがきっかけだという。その不思議な話もこの本で紹介されている。「人生においては良いことも悪いことも同じように起きますが、人は傾向として悪いことが起きると、それに気を取られて、波動がどんどんそちらへ動いていってしまうと思います。良いものは良いものへ、悪いものは悪いものへ引き寄せられてしまうということに気づき、その波動を良い波動に戻すようにすれば物事がうまくいくのではないでしょうか」という高橋さん。リーマンショックのあおりを受けて会社が倒産寸前になった時、『引き寄せの法則』について書かれた「The Secret」という本のCD版を繰り返し聞き、そこから「波動を変えろ、ポジティブな波動に戻せ」というメッセージを受け取ったという。「これまでの人生を振り返って言えることは、昔も今も一生懸命に生きているということ。自分の信念は自由の精神を持って生きていくこと、人に喜ばれる、そして感動させる生き方をすることです。また無償の愛と人を許すことの大切さを身をもって伝えたいと思っています」と高橋さんは語る。平和な世界を築くには無償の愛と人を許す心が必要だと考える。そんな『愛の波動』を伝える運動をバンクーバーや日本各地で展開している。

 

多くの若者の人生の師として

 若い人たちの人材育成にも力を入れており、世界で活躍できる日本人を育てる目的のグローバル塾も開催している。高橋さんに勧められて、バンクーバーからトロントまで自転車で横断した日本人青年など、一生忘れることのできない体験をした人も多い。「バンクーバーにワーキングホリデーで来る人は、本来の目的は英語の力をつけるとか、自分探しとかを目的としてる人も多いんですが、何も見つけられないで帰る人も多い。そういうのが納得できないのであれば、せっかく来るのだから自分の人生を変えるような体験をここでしてほしいと思うんです」という。そうした高橋さんの教え子たちの多くが、日本だけでなく世界各国で、起業したり、自分の得意分野を生かして就職するなど、さまざまに活躍している。

 「イン・マイ・ライフ」は、高橋さんの冒険譚や波瀾万丈の人生の物語だけではなく、人生におけるさまざまな出来事を常にポジティブに捉えるパワーを与えてくれるだろう。

 

「イン・マイ・ライフ」はアマゾンで購入できる。
日本:www.amazon.co.jp /カナダ:www.amazon.ca
また、日系センター内の日系博物館でも販売中(1冊15ドル)。

(取材 大島多紀子)

 

「イン・マイ・ライフ」

 

 

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