2017年10月12日 第41号

 9月3日、物理学者である大槻義彦教授の2017年最後のサイエンスカフェが行われた。

 

2017年度最終回のサイエンスカフェで大槻教授(中央)を囲んで記念撮影

 

 昨年から始まり、大好評により2回目も開催されることとなった大槻教授のサイエンスカフェは今年も大盛況だった。大槻教授は常に物理学に関する最新のニュースをテーマに選び、それを物理の専門家ではない人たちにわかり易く、面白く語る。

 大槻教授が今年のサイエンスカフェを締めくくるテーマとして用意した一つ目のテーマは宇宙から観測することで火山噴火を予知できる方法。μオン(ミューオン)と呼ばれる粒子を宇宙から飛ばし、火山を透視させ、通過した後の変化により、マグマの密度を計測することでどれだけ上がって来ているのかがわかり、噴火しそうかどうかがわかる。この技術が進めば、いつ火山が噴火するのか予知することが可能となり、大槻教授も発展に期待しているようだ。

 二つ目のテーマは物理学界では最もホットなニュースだった。宇宙の最終的な方程式と言われる『超弦理論』の研究に進展があったのだ。宇宙を構成する物理学の理論は、量子力学とアインシュタインの相対性理論だというのが通説だが、この二つの理論を統一する一つの理論とされるのが超弦理論である。そして最新のニュースが伝えたのはこの超弦理論に基づく膨大な計算により、量子力学と相対性理論を繋ぐ糸口が見つかったことだった。

 こうした通常では物理学に携わる者しか知ることのないニュースを大槻教授のサイエンスカフェでは知ることができる。毎年、開催場所である矢野アカデミーの教室には入り切らない程の参加希望者の集まる大槻教授のサイエンスカフェだが、来年もどのようなテーマで開かれるのか非常に楽しみである。

(取材 榊原 理人)

 

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