2017年9月28日 第39号

9月18日、バンクーバー市にある隣組で、未就学児を対象とした「おはなし おはなし」の第1回目が開かれた。日本語で手遊び歌や読み聞かせをしたり、母親同士の交流の場も提供するこのサークルは来年6月まで第1、第3月曜日の午前10時から11時半まで開催される。

 

子供たちと手遊びをする片岡純子さん

 

日本語で楽しい集まりを

 この日集まったのは乳児から3歳くらいまでの約15人の子供とお母さんたち。みんなで歌を歌ったり、手遊び歌で手や体を動かしたりと、楽しくゆったりとした雰囲気で参加できる。

 また今回は、日本の敬老の日と重なったことから、隣組の活動やプログラムに参加しているシニアの女性3人も参加した。バンクーバー日本語学校で行事の際などに紙芝居をしている菅原おほみさんが、紙芝居と絵本の読み聞かせをした。子供たちにも絵の中に隠れたものを探させるなどして引き込んでいくので、みんな目をキラキラさせながら耳を傾けていた。また、片岡純子さんは子供たちと振り付けをつけながら一緒に歌ったり、お手玉をしたりした。今回お手伝いに入ってくれたシニアの方たちには、お礼の気持ちとして紙で作ったコスモスが子供たちから手渡された。カナダに住んでいると、日本の祖父母と触れ合う機会がなかなかない子供が多い中、こうしたふれあいの時間は貴重だ。

 その他にも、風船をふくらまして大きなビニールシートに乗せてポンポンと持ち上げて遊んだり、おもちゃで遊ぶフリータイムを設けるなど、盛り沢山の内容で子供たちをひきつけていた。

 

お母さんの交流の場も提供 

 「おはなし おはなし」を始めたきっかけについて、開催している「Mamaの部屋」代表の松下恵子さんに聞いた。「自分自身の子供が小さな赤ちゃんだった時にすごく孤独な感じだったんです。誰も知らず、行く所もなくて。行く所があっても全部英語なので、疲れているのに英語しゃべりたくないって思うこともありますよね。それで、日本語で、日本人のお母さんたちが集まって、ほっとできる場所があったらいいなと思いました」と話す。5月に同様のイベントを開催した際、たくさんの参加者を迎えたことから、日本語環境の集まりを求めている人が多いのを実感したという。まずは、この「おはなし おはなし」を軌道に乗せてからと考えてはいるが、「今後はお母さんたちがお話しできる場とか、子供さんが一緒でも参加できるようなワークショップとかを開催したり、クラスなどを提供できたらいいなと思っています」と言う。日本語で気兼ねなくお母さんも子供たちも楽しめる場を、これからも提供してくれることを期待したい。

 参加費用はファミリーで1回5ドルで5回券20ドルという回数券もある。ドロップイン形式で予約は特に必要ないので気軽に参加できる。

 

「おはなし おはなし」開催スケジュール
毎月第1、第3月曜日(2018年6月まで)

祝祭日や春休みと重なった際、休みになることもあるので確認を。
場所:隣組(101-42 West 8th Ave.Vancouver)

問い合わせ先 
電話:604-753-9783 
ウェブ:http://ogojo.ca/ 
メール:This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.

(取材 大島多紀子)

 

参加した子供から紙のコスモスを受け取る菅原おほみさん

 

主催者の松下恵子さん(右)と、佐々木明子さん。佐々木さんは日本でも同じような児童サークルを5年間行っていたという

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。