2017年8月10日 第32号

隣組ライトハウスプログラム(旧イキイキ)の歴史

 カナダに住む日系シニアを対象としたプログラムは、連邦政府により助成金を得て「ライトハウスいきいきプロジェクト」として2014年9月に誕生し、高齢者に優しい環境作り、また認知症シニアの増加に伴う社会的ニーズに応える活動を行ってきました。

 残念ながら2016年の政府助成金終了により「月曜ライトハウスいきいきプロジェクト」は7月をもって終了となり、週2回行われていた隣組施設内でのプログラムは水曜日に統一されましたが、プログラム利用者様のご要望にお応えして今年4月から半日プログラム「月曜ライトハウスプログラム」として新たなスタートを切りました。プログラムの名称からも「いきいき」が外れましたが、未だに多くのプログラムご利用者様の中に「いきいき」という言葉が息づいています。

 

水曜ライトハウス: 毎週水曜日 午前10時から午後3時

 身体能力の低下(視力低下、聴力低下、歩行困難など)や軽度の認知症等の為に外出や会話をする機会が減ってきている方々の多様な要望にお応えし、社会的に孤立しがちなシニアの方々にゆったりとしたペースでご参加頂けるプログラムを提供しています。

 プログラムの内容は、お喋り、転倒防止体操、回想法、アート、クラフト、セルフ指圧、ビデオ鑑賞、脳トレゲーム、ランチ、スナック、盆踊り、音楽療法、お手玉遊び、手遊び、ビンゴ、ボールゲーム、等々になります。

 水曜ライトハウスで提供されるランチは、隣組キッチンボランティアチームが栄養バランスを考慮しながらメニュー作りをし、当日朝早くから手を掛け真心を込めてお作りする出来たてのランチです。

 

月曜ライトハウス: 毎週月曜日 午後1時から午後3時半

 月曜ライトハウスは半日プログラムとして水曜日よりは少しシンプルな内容になっています。

 気心の知れたボランティアさんとお喋りや、軽いエクササイズ、スナックやゲームを楽しみます。

 

隣組ライトハウスプログラムの存在意義

 隣組ライトハウスプログラムは、参加シニア様、ボランティアさん及びコーディネーターが家族のような温かい気持ちで時間を共有し、それぞれの世代がお互いを助け、学び合いながら、元気に楽しく、笑いの絶えない時間を安全に共に作り上げるという場になっています。シニアの皆さまが引き続き社会との繋がりを保ち「隣組ライトハウスプログラムに行けば気軽にお喋りし笑い合える仲間がいる」と感じられる事こそが隣組ライトハウスプログラムの存在意義であり、政府からの助成金が終了した現在、そして未来においてもカナダで生きる日系シニア様、そしてそのご家族にとって無くてはならない重要な役割を担うものとして日々成長し続けています。

 

ご家族の声

The Lighthouse Program is invaluable to our family as it provides my mom with an engaging and lively place to interact with others, all in a conscientious and caring environment. - KE(原文)
 ライトハウスプログラムは良心的で思いやりのある環境の中、生き生きと他の人々と触れ合える魅力的な場を母に提供してくれるものとして、家族にとって価値のあるものとなっています。 KEさん

The Iki Iki program has provided a warm, welcoming, stimulating environment for my mother and she looks forward to attending each week. It is a place and time where she feels comfortable, understood, accepted, and therefore, happy! - JN(原文)
 いきいきプログラム(現ライトハウスプログラム)は温かで居心地が良く何らかの刺激を与えてくれる環境を母に提供してきてくれました。そして母は毎週プログラムに参加するのをとても楽しみにしています。ライトハウスプログラムは母が居心地が良く、理解され、受け入れられ、そして何より楽しいと思える場であり時間なのです。 JNさん

The Lighthouse Program is a life saver for our family! The program provides so much for our mother who is slowly declining into dementia. The staff is kind, patient, supportive and knowledgeable about this insidious disease. This program is a god sent for our family and we are so thankful for its existence !!! - DJ(原文)
 ライトハウスプログラムは私達家族にとってはライフセーバーです。このプログラムは徐々に認知症を発症している母にとても意味あるものを提供してくれています。スタッフは親切で忍耐強く協力的で、この進行性の病に対する知識も豊富です。このプログラムは私達家族に送られた唯一無二の存在で、その存在にとても感謝しています。 DJさん

 

ライトハウスボランティア

 ライトハウスプログラムには月曜・水曜合わせて約20名程のボランティアさんが登録をし、プログラムを盛り上げてくださっています。年齢層も80代から下は20代までと幅広くご活躍頂いています。

 プログラムの一部をコーディネーターに変わってリードしてくださったり、お喋りを盛り上げてくださったりと、それぞれの得意分野で活躍して頂き、笑いの絶えないプログラム作りの礎となっています。ライトハウスプログラムは、こういったボランティアさん達の温かいお気持ちで支えられ、そして彼等の力なくしては存在し得ないものだと言えます。彼等はライトハウスプログラムにとっての財産なのです。

 

ライトハウスプログラムコーディネーター 長谷川朋子(はせがわ・ともこ)

 昨年末からライトハウスプログラムコーディネーターとして活躍させて頂き、アッという間に8カ月が過ぎようとしています。最初に隣組ライトハウスプログラムを訪れたのはボランティアがきっかけです。2009年にBC州のバーノンという田舎町でESLコースを取っていた時に初めてボランティアさせて頂いたのが老人ホームでした。シニアさん達との穏やかでゆったりとした時間の流れが自分に合っていると感じ、いつかまたシニアさん達と何らかの形で関わることができれば、という思いで隣組でのボランティアに参加させて頂きました。6カ月ほど経った頃、当時ライトハウスプログラムのコーディネーターをされていた有馬正子さんからの推薦を受け、そのまま彼女の後を引き継ぐ形で新米コーディネーターとして新たな一歩を踏み出しました。まだまだ学ぶべき事が山積みでコーディネーターとしては未熟と言えますが、ボランティアさん、参加シニア様、そのご家族、そして隣組スタッフの笑顔に支えられながら日々より良いプログラム作りを目指して奮闘しています。

 

最後に

 隣組ライトハウスプログラムは、随時日系シニア様の参加を募集しております。「身体的な衰えの為に外出する機会が減った」「社会との繋がりを昔ほど感じられない」など、個々それぞれの理由で日々の生活に笑顔が減ってきているシニア様には是非ご参加頂きたいプログラムです。

 詳細につきましては気軽に隣組までお問い合わせください。隣組:604-687-2172(担当:朋子)

 

月曜ライトハウスプログラム (9月11日〜12月11日)
全12回
曜日:毎週月曜日(※10月9日、11月13日はお休み)
時間:午後1時から3時半まで
一回料金:隣組会員$10/非会員$12(スナック代含む)

水曜ライトハウスプログラム (9月13日〜12月13日)
全14回
曜日:毎週水曜日
時間:午前10時から午後3時まで
一回料金:隣組会員$20/非会員$25(ランチ代含む)

(文・写真 隣組)

 

ボランティアさんと楽しむ様々なゲーム

 

月に一度の盆踊り教室

 

少し足を伸ばしてベリーピッキング

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。