2017年5月18日 第20号

生活援助や介護スタッフを派遣するハッピーケアでは、現在日本人や中国人のスタッフが登録しており、きめ細やかなサービスを提供している。質の高いサービスを提供するために必要不可欠なスタッフのトレーニングには力を入れているという。同社代表取締役社長の長谷川浩子さんと、マネージャーのジェニファー・シュウさんに話を聞いた。

 

顧客の自宅を訪れる際には、袖にハッピーケアのロゴが入ったTシャツ、サンバイザー、IDカードをつけていく。左から、マネージャーのジェニファー・シュウさん、長谷川浩子社長、長谷川浩会長、マネージャーのオーウェン・シュウさん 

 

どの顧客にも高水準のサービスを

 「会社には、いろいろなスタッフがいる中、誰がどのお客様のお宅に行っても、同じサービスが受けられるということをモットーとしております。ただ現場に行ってください、というのではなくて、仕事内容を一番わかっている人が一緒に行ってお仕事のノウハウなどを指導するという試みを行っています」と話す長谷川さん。顧客に安心してサービスを利用してもらうため、本社で働く社員及び派遣されるスタッフは、顧客の自宅に訪問するときにはIDカード(名前、入社日、会社の住所等が明記され顔写真がついている)、同社のロゴが入ったTシャツとサンバイザーを着用する。また、スタッフには入社に際して無犯罪証明書の提出を義務づけている。その他にも、「月に一度くらいスタッフには本社に来てもらい、仕事の内容、問題点の改善などを話し合うようにしています。普段は横のつながりがないので、スタッフ同士の交流や情報の共有などに役立っています」。

 サービス提供の流れとしては、まず顧客の自宅をマネージャーが訪れ、顧客の要望を聞きながらサービス内容を細かく決める。勤務初日にもスタッフとマネージャーが一緒に訪問し、滞りなく行われていることを確認する。新人スタッフが顧客を訪問する場合には、すでに経験を積んでいるスタッフが同行し、細かく指導して現場でのトレーニングも兼ねて仕事をする。2人のスタッフが訪問する形になるが、トレーニング目的で同行するベテランスタッフの分の料金は請求されない。掃除だけの依頼や生活が自立している顧客の場合、トレーニングは通常最初の1回だけとなるが、身体介護などケアの部分が多い顧客に関しては、3週間から1カ月ほどかけてじっくりと取り組むそうだ。これに限らずスタッフは入社の際、マニュアルを受け取りひと通りのトレーニングを受ける。看護師やケアギバーの資格を持ったスタッフが多いが、そうしたバックグラウンドに関わらず入社後はまず、スタッフ全員が同じトレーニングを受けることを徹底しているそうだ。

 

働き甲斐のある職場を目指す

 中国系の顧客も増えてきている中、中国語を話すスタッフの採用とマネジメントを担当するシュウさんは、「スタッフは、ほとんどが看護師などの資格を持っています。みな思いやりがあり、しっかりと仕事をしてくれます」と話す。ケアギバーとしての経験はあっても本格的な掃除は…と自信のないスタッフには、会長、社長、マネージャーのうちの誰かが同行して指導することもよくあるそうだ。

 派遣スタッフに関しては「お客様の依頼を気持ちよく受けてくれる方ばかりです。お客様が我々を選んでくれるのであって、我々がお客様を選んではいけないというのはサービス業の鉄則だと思うんですね。お客様からのご要望にはできるだけ応えたいですよね」と話す長谷川さん。今後も人材教育には力を入れていきたいとのことだ。また、予約、請求書、支払いなどの手続きが分かりやすく無駄のないシステム作りを構築し、顧客にとってより利用しやすい環境づくりを目指したいとも話す。最後に、こうした職種での仕事を探している人に対しては、「当社で働きたいという気持ちがある方ならば、経験がない方でも手厚いトレーニングを提供したいと思います。スタッフがここに入って良かったと思えるような環境づくりを目指したいですね」と語った。

 

Happy Care ハッピーケア
住所:Suite 600-890 W. Pender St. Vancouver
電話:1-844-690-2525(トールフリー)
メール:This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.
ウェブ:http://happycare.ca

(取材 大島 多紀子)

 

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