2017年4月27日 第17号

 バンクーバー周辺で、今後50年間にマグニチュード9級の地震が発生する確率は30パーセントといわれている。しかし、以前に大地震を経験したのが300年以上前ということもあって、ブリティッシュ・コロンビア州に住む人々の危機感が足りないというのが現状だ。バンクーバー直下型の大地震が起きた場合、甚大な被害をこうむることは想像に難くない。

 4月5日、岡井朝子総領事主催の下、在バンクーバー日本国総領事館において安全対策連絡協議会が開催され、日系企業、日系団体等の関係者16人が出席し、地震や津波などの災害に対する心構えや対策についての説明を受けた。安全対策連絡協議会とは、在留邦人や短期滞在者の安全を守るため、危機管理を担当する関係者との間で情報提供と意見交換の場として行われている。この日の協議会では、緊急事態が発生した場合、総領事館が取る対応などについて説明された。同時に、日系団体や企業が緊急時に対応するための連絡網作りや情報共有のシステムを整備するなど、平素からの備えの重要性にも触れた。協議会後、出席者はバンクーバー市内にある25カ所の指定避難場所のうちの1つを視察した。

 BC州では、こうした緊急時の際、まず各市レベルで対応することになっている。各市ともウェブサイトで自然災害の際の対応や備えについて説明している。災害時の対処は市によって異なるので、住んでいる市や職場がある市での対応についてウェブサイトなどで確認しておきたい。

 バンクーバー市では、家庭内での緊急時対策や家庭内の危険個所のチェックリストなどを作成、災害時への備えの大切さを呼びかけている。また、緊急事態や災害時には救援物資がすぐに届かないことも多いので、少なくとも3日分の食料や水を備えておくことも大切。こうしたチェックリストを元に家族とも災害時の行動について話し合い確認しておきたい。

バンクーバー市のウェブサイト(英語):vancouver.ca 
上部メニューからHome, property and developmentを選択→左側のメニューからPublic Safetyを選択

(取材 大島多紀子 / 資料提供 バンクーバー市)

 

バンクーバー市地域緊急準備プログラム (※バンクーバー市より許可を得て転載)  

非常時の食料品と水  
自給自足が必要な場合に備えて

少なくとも3日分の食料品と水の備えを常に手元に持っておきましょう。家族が好きなもので、冷蔵や調理不要で、すぐに食べられる食料品を選びましょう。


・少なくとも、1人あたり1日につき4リットル ー飲料用に2リットル、調理や衛生上、皿を洗うのに2リットル

食べ物
・ 缶詰: スープ、シチュー、ベークドビーンズ、パスタ、 肉、鶏肉、魚、野菜や果物
・クラッカーやビスケット
・ハチミツ、ピーナッツバター、シロップ、ジャム、塩胡椒、砂糖、インスタントのコーヒーや紅茶 (定期的に消費期限を確認し、必要なら新しいものと交換しましょう)

調理道具
・ナイフ、フォーク、スプーン
・使い捨てのコップや皿
・手動の缶切り、栓抜き
・プロパン等燃料式のコンロと燃料 (製造元の説明書に従い、屋内でバーベキューをしないようにしましょう)
・防水のマッチとビニールのゴミ袋

緊急事態や災害時でも家に住めることもありますが、電気や暖房が使えない可能性もあります。家庭用の備品を今、揃えておくことで、緊急時に家族全員が手元に必需品を持っておくことができます。備えが十分な人ほど、助かる確率が上がるでしょう。


非常時のペット用備品  ペットを忘れないで!

・ペットの写真
・ジップロックに保管した通院と予防接種の記録
・(必要であれば) 防水の容器に保管した、2週間分までの薬
・2週間分までの餌と水  同量の水が不要になるので、ウェットフードならなおよい (缶切りを忘れないように!)
・Non-spill(こぼれない仕組みになっているボウル) の餌や水用食器
・ゴミ用のビニール袋
・ペット用救急箱や消毒薬
・紙タオル
・毛布
・おもちゃやおやつ
・リードや口輪
・キティーリター (トイレに敷く吸湿材)

ペットにも、避難時に必要なものを含む非常時用備品を準備しておきましょう。  

 

非常時の車両用備品  車が故障した場合に備えて

・シャベル
・砂、塩、またはキティーリター
・トラクションマット
・牽引用チェーン
・方位磁石
・タオルなどの布または紙タオル1巻き
・警報燈または発煙筒
・予備の服と履物
・緊急時用の包装された食料品
・斧または手斧
・ブースターケーブル
・氷を削り落とすためのスクレーパーとブラシ
・ロードマップ
・マッチと、底の深い缶に入った『緊急時用の』ロウソク (手を温めたり飲み物を熱したり、緊急時用の照明として使ったりするため)
・消火器
・メチルアルコール (燃料管やフロントガラスの氷結防止のため)
・懐中電灯
・シートベルトカッターと救急箱
・毛布 (『緊急時用の』特別な毛布がベスト)

車の中で緊急事態や災害に遭遇した場合に備えて、手元に必需品を持っておきましょう。  

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。