2017年4月6日 第14号

4月1日、ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市のスティーブストン・インドアテニスコートで、スティーブストン国際空手道選手権大会が行われた。主催は、剛柔流打揚会。参加選手は、カナダ国内をはじめインド、そしてアメリカはコロラド州、カリフォルニア州、ワシントン州から、500 名を超える参加選手があった。これに、選手のコーチや付き添い、父兄などを交えると千名を超える人で賑わった。また、ボランティア、審判員などの関係者が120 人など、毎年、大動員されるイベント。今回で、44 回目で、いまやスティーブストンの春を告げる名物催事となっている。年々、評判が評判を呼んで、強豪たちがさらに集まるなか、在バンクーバー日本国総領事館総領事杯、和歌山市市長杯の獲得を目指して熱戦が繰り広げられた。

 

昇段証を手に喜びを隠せない面々

 

2020 年東京オリンピックの競技種目に決定後、空手は、ますます人気を集めている

 本来、空手に限らず日本武道は、スポーツの競技面以上に精神性を尊ぶ面が強い。同じ日本武道で柔道は、1964 年の東京オリンピックから男子柔道が、そして女子は、1988 年のソウルオリンピックで公開競技となり、1992 年のバルセロナオリンピックで正式種目となった。それ以降、ルールや得点ポイントなど、さまざまな改革がされてきて世界共通の競技種目となった。その歴史の過程で積み重ねられてきたノウハウを参考にするなどで、空手もオリンピック種目として世界共通のルール、得点ポイントなどが作られていくだろう。同時に、勝敗のみが優先するのではなく、空手を学ぶ上で欠かせない精神性を尊ぶ伝統を失いたくないものである。もちろん、「強さへのあこがれ」が入門の動機であり、それに応えるべく技術向上のために指導者は、切磋琢磨している。しかし、近年、特に礼儀作法や他人へのやさしさなど、日本固有の精神性と思われていたことが、多民族のなかで理解が進んでいる。この剛柔流打揚会の道場でも、その傾向は顕著で、子供入門者の父兄から「礼儀を教えてほしい」というリクエストが多いという。それに応えるのは、手間のかかることだが、「とにかく辛抱しながら、少しずつ教えていく他ない」と、打揚師範は語っていた。

 空手が東京オリンピック競技種目になったことで、人気が高まり、知名度も高まって、その真髄を世界に広めることは、とりもなおさず日本文化の理解を広めることでもある。

 

今年の優秀選手に選ばれたのは…

 在バンクーバー日本国 総領事館総領事杯を獲得したのは、打揚秀美さん。彼女は、黒帯部門の女子の『形(かた)』で優勝した。また、和歌山市市長杯を獲得したのは、ウィル・ライトさん。彼は、黒帯部門『組手(くみて)』のオープンウェイトで優勝した。この2つの表彰は、試合に勝つすぐれた技術と同時に、礼儀などの所作にもすぐれていた点も評価されている。

 この日、昇段試験に合格した人に合格証が渡され、表彰されていたが、全員喜びを隠せない様子だった。さらに、高みを目指す励みとなったことだろう。ちなみに、黒帯を締めるようになる練習生の多くは、勉学も意欲的で大学への進学率が高い。「集中力が高まるためだろう」と打揚師範が語っていたのは興味深い。まさしく『文武両道』を身につける修行の場となっている。

(取材 笹川 守)

 

内田首席領事から在バンクーバー総領事館総領事杯を受ける打揚秀美さん(右)

 

和歌山市市長杯を獲得したウィル・ライト(右)さんの演武

 

(左から)来賓のジョン・ヤップ国会議員、マルコム・ブロディ・リッチモンド市長、内田晃首席領事、ジム小嶋さん(和歌山市とリッチモンド市の姉妹都市協会副会長)、打揚師範

 

 

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