復興のために少しでも何かを、と思い、仙台市の災害ボランティアに参加した。ボランティアに参加するため、インターネットで仙台市災害ボランティアセンターの場所・活動時間・ボランティアの内容・服装・準備物などの情報を収集した。ボランティア参加者は、お昼や飲み物などの準備物や、交通費、宿泊先などを各自で用意することが基本である。長靴、ゴーグル、ゴム手袋、防塵マスクなどをバッグにつめ、午前9時にボランティアセンターへ到着した。受付の際に、名前・緊急連絡先などの必要事項を用紙に記入し、ボランティア保険にも加入。その後、参加者がボランティアの内容を確認して依頼先へ派遣される流れであった。派遣されたら、すぐに活動を開始。休憩を含めて午後3時にボランティア活動を終了。活動終了後はボランティアセンターまで戻り、報告をして解散だった。


ボランティアの活動内容はいろいろあったようだが、私の場合は個人宅での泥出しと、市の施設で写真洗浄を行った。泥出しは20~30人くらいでバスに乗り、依頼先へ派遣された。男性が主力のようだが、女性も参加していた。太陽が照りつける中シャベルで何度も泥をすくう作業は、思いのほか疲労がたまった。しかし、みんな黙々と懸命に作業を続けていた。写真洗浄は、ご縁があってか何度も同じ場所でボランティアをした。思い出の品を取り扱う作業なので、丁寧さが必要であった。一方で、取り扱う数も膨大なため、迅速さも必要であった。早く持ち主の手に届くように、と願いをこめながら1枚ずつ泥の汚れを拭った。


ボランティアの参加者は、本当に気持ちのよい方たちばかりであった。東北、関東、中部、近畿、九州など全国各地からボランティアに来られていた方も多く、私は毎回のように県外からの参加者に遭遇した。外国の方がたも多く目にした。「遠方から応援に来てくださるのだから、自分たちも」と、仕事の休日である土日を使ってボランティアをする市内在住の参加者も大勢いた。いずれも目頭が熱くなる光景であった。


被災地の方がたは大変な状況にも関わらず、ボランティア参加者を常に温かく迎えてくださった。ボランティアへ向かう途中、「ボランティアの方ですか?ありがとうございます」と、声をかけられることもたびたびあった。また、依頼者の方がたが、その日の活動を終えたボランティア参加者たちに深々とお辞儀をし、最後までお見送りしていた姿は、今も目に焼き付いている。


ちなみに、「仙台市災害ボランティアセンター」は休止し、8月以降は「復興支援“EGAO(笑顔)せんだい”サポートステーション」へと移行したようだ。(参照:仙台市災害ボランティアセンター・ホームページ)また、仙台市のみならず、ボランティアを必要とする自治体はたくさんある。ボランティア参加に興味がある場合、常に新たな情報を入手することが必要だ。


(取材 熊坂香)

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