2016年12月8日 第50号
12月4日ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の日系文化センター・博物館において、熊本地震の被災地への寄付を募る目的で「頑張れ熊本!チャリティーバラエティーショー」が開催された。平居ミキさんを委員長とする実行委員、赤木佳世子さん、望月はじめさん、稲岡佑介さんが主催し、出演者をはじめ、多くのスポンサーとボランティアの協力のもと15ドルのチケットは357枚を売り上げた。会場は400席満席となり、被災地熊本の1日も早い復興を願い、熱いエールを送った。
参加者の集合写真
バラエティーショーの起こり
「2016年4月14日と16日の2度、最大震度7の揺れが熊本県を襲いました。その後も複数回にわたり地震が続き、半年以上経った今でも復興は途上です。ここバンクーバーにもたくさんの熊本県出身の方、または親類・友人をお持ちの方がいらっしゃいます。このたび数人の有志が立ち上がり、『何かできないか』ということで、今回のバラエティーショーを開催する運びとなりました」と司会進行を担当した福島竜さんは今回のチャリティーバラエティーショーの起こりを説明した。そして「開催するにあたり多くのスポンサーとボランティアの方々の協力を得ることができましたこと、大変感謝いたします」と挨拶を締めくくった。
懐かしく楽しい演目
最初の演目は、「音羽流」のメンバーが灯籠を頭に乗せて踊る熊本民謡『よへほ』を披露。続いてのカラオケは、延べ19人がプロ顔負けの素晴らしい歌声を披露し、みな気持ちよさそうに伸び伸びと歌い上げた。中には日本舞踊や寸劇を伴った歌もあり会場はさらに盛り上がった。ドアープライズ抽選を挟み、後半は「座だいこん」による古典コメディー『盆山』が披露され、後半のカラオケに続きワイレレ・ワイワイ(Wailele Waiwai)のメンバーによるフラダンス。最後には出演者全員と観客によるカラオケ『北国の春』を合唱して、すべての演目は終了した。400席を埋め尽くした観客は、懐かしいメロディーに聞き入り、手拍子をし、時に一緒に口ずさみながら、楽しい時間を過ごした。
閉会の挨拶
閉会の挨拶で平居ミキ実行委員長は「今日の主人公は来てくださったお客様全員です。次回もまた誰かの役に立つチャリティーイベントをしたいので、日系コミュニティを助け合いながら盛り上げていきましょう。次回もまた皆さんの参加をお願いします。ガマダセ(熊本県の方言で『頑張れ』という意味)くまもと!」と、会場の観客が一緒になって熊本にエールを送り、熱気に包まれたチャリティーバラエティーショーは成功裏に終了した。
すべてが無事に終了し、委員長の平居ミキさんは安堵の笑みをこぼし「今日のイベントで素晴らしいことは、実行委員から出演者の皆様まですべてがボランティアで成り立っていることです。もう一つの素晴らしいことは、日系人同士で助け合い協力し合えばこのようなイベントも成功できるんだという、いい例になったということです」と語った。
会場に足を運んだ熊本県出身の女性2人は「懐かしい歌で元気が出て良かったです。ハワイアンダンスが楽しかった。そして、熊本出身なので『よへほ』踊りがやっぱり懐かしくて良かった」と笑顔で語った。
多くの、多くの人の善意が形となって開催された『頑張れ熊本!』。イベントの収益金5,355ドル(357枚分)とドネーション1,700ドル95セント(12月7日現在)は電信送金で熊本県の震災地へ送られることになっている。なお、経費などの詳細は、次週(12月15日号)の本紙に掲載を予定している。
(取材 福安 恵子)
音羽流メンバーによる熊本民謡『よへほ』
ワイレレ・ワイワイのフラダンス
音羽雛明さん宮西セツさんの踊りで歌う渡邊トムさん(右)
実行委員会のメンバー、(左から)平居さん、稲岡さん、望月さん、赤木さん
出演者全員による『北国の春』大合唱
座だいこんの大塚泰子さん(左)と渡辺寿和さんによる『盆山』
池条佐衣子さん(左)らによる寸劇
佐久間康さん(右)と石井照代さん
大トリを務めた渡辺宜之さん
村尾メリアンさん
松本守隆さん
福田辰平さん
臼田修身さん
佐野優子さん
王錦和さん
山代博雄さん
演目を楽しむ観客