2016年10月27日 第44号
10月22日、バンクーバー市内のインターナショナル・ビレッジモールで東アジアの画家による合同絵画展『Spirit of Harmony』の開会式が開かれ、連邦および州政府、市議会議員ほかスポンサー、参加国代表者など約200人が出席した。
日本、中国、韓国、台湾からの参加者とその出身者で当地在住画家35人による130点の絵画展は、同モール内のインターナショナル・アートギャラリーで11月19日まで開催される。
日本からの出展作品の前で(左から)故いとういさをさんの妻の伊藤みゆきさん、もとこさん、ジョイス・カミクラさん、荒木靖夫さん、星野栄華さん
芸術に言葉はいらない
実行委員長ジョン・チャン氏の開会の挨拶に続き、連邦および州政府、市議会議員や参加国代表者9人が祝辞を述べ、州議会議員リチャード・リー氏が「芸術に言葉は必要ありません」と述べると大きな拍手が沸いた。また協賛団体の日系文化センター・博物館より、理事長の五明明子さんが日系画家を代表して挨拶した。
締めくくりは音のハーモニー。成谷百合子さんと小茂田和子さんが民族衣装をつけた中国、韓国、台湾の奏者とともに琴を演奏した。
マルチカルチャーな街バンクーバーならでは実現したこのイベントには、アートを通して相互の理解や友好を深める目的が込められている。
日本からは水墨画
昨年、画廊オーナーのジョン・チャンさんから合同展覧会の案を持ちかけられたという画家のジョイス・カミクラさんは、フランク神谷さんとともに実行委員のひとりとして開催に向けて多大な時間を費やした。
第1回展示では日本的なものを紹介したいと水墨画を選択。東京で『現水展』開催中のため、根岸嘉一郎さん、井原優山さん、鈴木昇岳さんは作品のみの出展となり、星野栄華さんが代表で来加した。
画廊のショーウインドーを飾った桜や滝を描いた掛け軸は星野さんの作品。根岸嘉一郎さんの作品について「透明感のある墨を好まれ、濃淡を使って7つの色を表わす難しい技法を使っておられます」と説明してくれた。
日系画家4名
11月1日からの第2回展示では地元画家の作品のみが展示される。日本セクションの出展者は次の通り。
荒木靖夫:1969年にカナダに移住。1989年よりパンパシフィック・ホテル内に画廊を持つ。感動や喜びを表現する自称『生命派』のアーティスト。
もとこ:2005年よりサンシャインコーストで画廊を運営。抽象画を通して、禅や自然から感じたやすらぎと平和を提唱する。
ジョイス・カミクラ:スティーブストン出身。毎日の暮らしから見いだす具象的なもののほか抽象画も。カナダ連邦芸術家協会会員。
いとういさを:バンクーバー博覧会にてデザインに携わった後1988年バンクーバーに移住。カナダ連邦芸術家協会会員。2014年に死去。
(取材 ルイーズ 阿久沢)
Spirit of Harmony 東アジアの画家による合同絵画展
第1回(10月28日まで)海外から招聘された作品を中心に展示。
第2回(11月1日から19日)地元画家の作品展示。
International Arts Gallery
(インターナショナル・ビレッジモール2階 88 West Pender Street)
問い合わせ:This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.
電話:604-569-1886
開会の挨拶をする『Spirit of Harmony』実行委員長ジョン・チャン氏
開会式で成谷百合子さん(中央)と小茂田和子さん(右)が中国、韓国、台湾の奏者とともに琴を演奏
左下がジョイス・カミクラさんとその作品『Yellow Moon』、中央上が故いとういさをさんの『静思(奥海印寺)』、中央下が荒木靖夫さんの『Life's Open Journey』、右がもとこさんとその作品『Blue Glacier 2』