2016年9月29日 第40号

 

バンクーバー・ハーバーセンターに到着したウィリアム王子夫妻(右)と出迎えたクラークBC州首相(左)(25日午前)(撮影 ホープ・ワタナベ)

 

 イギリスのケンブリッジ公爵ウィリアム王子とケンブリッジ公爵夫人キャサリン妃が9月24日午後、ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリアに到着した。8日間の滞在中、BC州とユーコン準州を訪問する。今回の海外訪問では初めて二人の子供、長男・ジョージ王子(3歳)と長女・シャーロット王女(1歳)を同伴している。BBC放送によると、ことし5月に1歳の誕生日を迎えたシャーロット王女にとって初の「公式外遊」となる。

 ビクトリアの空港の第443海洋ヘリコプター部隊基地に到着したウィリアム王子一家は、21発の礼砲とともにジャスティン・トルドー・カナダ首相夫妻やクリスティー・クラークBC州首相などの出迎えを受けた。

 その後行われた州議事堂前での歓迎式典では、ウィリアム王子による衛兵の巡覧、戦没者慰霊碑への献花が行われた。スピーチを行ったウィリアム王子は、カナダを再訪することができ喜んでいると述べるとともに、今回二人の子供を同伴したことについて、二人とこの美しい国との生涯にわたる友好関係の出発点になると付け加えた。

 また一家は、ビクトリア市のあるバンクーバー島南部や、ガルフ諸島が歴史的テリトリーである先住民ソンヒース族からの公式歓迎も受けた。

 この日のキャサリン妃のファッションは、ジェニー・パッカムの青色のワンピースに、同色のロック&コーの帽子だった。また胸には、王室の家宝である銀のメープルリーフのブローチをつけていた。

 25日は午前中に水上飛行機でバンクーバーに移動したウィリアム王子夫妻。飛行機から降り、クラーク州首相やグレゴール・ロバートソン・バンクーバー市長、また先住民族首長らの出迎えを受けた後、カナダプレースのコンベンションセンター脇にあるジャック・プール・プラザで夫妻を一目見ようと集まっていた市民と握手したり、会話を交わしたりした。

 また、この日のキャサリン妃のいでたちは、アレクサンダー・マックイーンの白地に赤のプリント模様のドレスに、赤いハイヒールだった。

 なお、ジョージ王子とシャーロット王女は、今回の訪問中の一家の拠点となる、ビクトリアのBC州副総督公邸に養育係とともにとどまり、夫妻には同行しなかった。

 ウィリアム王子夫妻はこのあと、バンクーバー市イーストサイドにある薬物やアルコール中毒の母親や妊婦を支援する組織シーウェイ(Sheway)を訪問。ここに通う母親たちが語る体験に耳を傾けていた。

 次に同夫妻が訪れたのは、カナダに来たばかりの移民や難民を支援する団体、BC州移民サービス協会。ここでシリアからの難民家族と会談したウィリアム王子夫妻に対しトルドー首相は、カナダが受け入れた3万1000人のシリア難民の定住に、政府がどのように取り組んでいるかを説明した。

 この日最後の訪問となったのは、運用が再開されたばかりのキツラノ沿岸警備隊基地。ここで同隊のホバークラフトに乗り込み、バンクーバー国際空港近くのシー・アイランド基地へ移動。ここからヘリコプターで子供たちの待つビクトリアへと戻った。

 26日にはBC州中央沿岸部の町、ベラ・ベラをクラーク州首相とともに日帰りで訪れたウィリアム王子夫妻。現地の先住民文化と、グレート・ベア・レインフォレストの自然に触れた。残念ながら低気圧の接近に伴い天候はすぐれず、空からの森林視察はキャンセルとなった。

 このあと、27日にはBC州内陸部の町ケローナのワイナリー訪問、28日にはユーコン準州ホワイトホースのマクブライド博物館見学と、多忙なスケジュールをこなした。マクブライド博物館は、かつての電報局で、1959年にはクィーンエリザベス2世と夫のエジンバラ公がここを訪れている。

 29日はビクトリアの副総裁公邸でのイベント以外は家族で過ごした後、30日にはハイダ・グワイのハイダ・ヘリテージ・センター博物館を訪問予定。そして10月1日、全ての日程を終えて帰路に着く。

(編集部・共同)

 

ウィリアム王子夫妻が到着したキツラノ沿岸警備基地(25日午後)(撮影 ホープ・ワタナベ)

 

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