当日はあいにくの雨。時折強く降る雨に、参加者は傘を手放せない状態だったが、BC州議会議員のヨナ・マーティン氏は「バンクーバーと言えば、雨。いかにもバンクーバーらしい」「イタリアでは雨は幸運を意味する」と、ポジティブな話で気分を盛り上げながら、開会の挨拶を行った。そして、韓国人協会のメンバーと一緒に雨に濡れながら朝の7時から準備をしたというボランティアの人たちに、感謝の言葉をかけた後、「韓国人コミュニティでも継続して(日本の被災者を)支援していこう」と呼びかけた。

 

続けて、BC州の社会開発兼多様文化担当大臣のハリー・ブロイ氏が、3年前の四川大地震でも中国の被災者のために、同様に中国人以外のコミュニティが手を差し伸べたことを挙げて、アジア系コミュニティで相互に助け合おうという精神について評価。「恐ろしい地震の、想像を絶するような被害に胸が痛い」が、悪天候の中、駆けつけた参加者に対して、「皆さんの温かい心に感謝します」と述べた。

 

「理解と愛、忍耐と結束」といった言葉を交えた、チョイ・ヨンホ韓国総領事の挨拶で、他民族コミュニティ間の結束強化していこうとあったように、ウォーカソンは、義援金を集めるとともに、アジア人同士の結びつきを深め、さらに家族や友人で爽快なひとときを過ごすことを目指したものだ。ベトナムやフィリピン系の団体なども協賛したほか、日加商工会議所の理事、小松和子氏がオーガニックウォーターも提供した。

 

ウォーカソンはバーナビーレイク周辺を2.5キロ、5キロ、10キロのいずれかの距離を歩くというものだった。「昨日までは5キロ歩くつもりだったけど、雨なのでギブアップで2.5キロにしました」(お母さんと参加した9歳の男の子)という声も聞こえたが、多数の人がグループになって笑顔で歩いた。韓国人協会の代表、ユニス・オー氏は「目標は500人には届きませんでしたが、多くの人が集まってくれました」と語った。ボランティアを合わせると合計400人近くの人が参加して、集まった義援金は3000ドルを超えたそうだ。

 

イベントには、バーナビー消防局も協力して、ホットドッグのランチを用意。ホットドックはウォーキングの後で参加者にふるまわれた。多様性を重視しているというスコシア・バンクもイベントのために寄付を行ったほか、スタッフや家族が多数参加した。スコシア・バンクではこれまでにも10万ドル以上を日本の被災者のために、カナダ赤十字に寄付してきたという。

(西川桂子)

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