2016年8月25日 第35号
CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)チャンピオンズリーグ予選ラウンド第2戦が23日、BCプレースで行われた。 第1戦はトリニダード&トバゴでのアウェー戦で、同国代表セントラルFCに1ー0で勝利。この日はアメリカ代表スポーティング・カンザスシティをホームに迎えた。
チャンピオンズリーグに優勝すればキャップスとして日本でプレーできるため、「そこは僕のモチベーションとしながら大事に」と工藤が笑った。8月23日スポーティングKC戦BCプレース
8月23日(16,383)
バンクーバー ホワイトキャップスFC 3 - 0 スポーティング・カンザスシティ
8分にMFテチェラ(#13)が決め1ー0。12分にはFWハタード(#19)がゴールし、前半を終え2ー0とリードした。さらに64分に再びテチェラ。ダメ押しの3点目となった。
これを弾みにレギュラーシーズンでも
8月2日のアウェー戦に続き2連勝。予選ラウンド突破に向け、大きく弾みをつけた。
レギュラーシーズンでは最近6試合で勝ち星なし。その中で唯一白星が付いているのが、このチャンピオンズリーグでの戦い。この日も序盤から立て続けにゴールを決め、スポーティングを圧倒した。
ロビンソン監督は「この試合で自信を取り戻してくれればいい」と、何度か試合後の記者会見で口にした。
スポーティングとは20日にレギュラーシーズンで対戦したばかり。その時は0ー2と全くいいところなく惨敗。その嫌な流れを断ち切るためにも、この日は勝つ必要があった。
「前回のカンザス(シティ戦)でボロボロにやられたんで。メンバー変わっても、ここでなんとか勝って次のリーグ戦のLAにつなげられるように」とFW工藤(#9)。この日は4ー4ー2の布陣で、工藤はハタードとツートップに入った。何本かシュートを放ち、クロスバーに当たる惜しいシュートもあったが、ゴールを決めることはできなかった。
試合後「結果的にチームは勝ちましたけど」と。ただ「納得いってないですけどね」。ゴールを決められなかったこともあり、チームは勝利したものの厳しい表情で語った。前試合では出場機会がなかったが、この日はフル出場。しかし、完全フリーでゴール前にいてもボールが回ってこない場面もあり、FWとしてのもどかしさは隠せない。
それでもチームのプレーオフ進出がかなり厳しい状況で、勝つためにはFWとしてゴール量産は必至。この試合を白星で飾れたことをきっかけに「これがいいふうに今日出た選手が次の試合に出て、ちょっとでも流れを変えられれば」。あきらめずにプレーオフ進出を目指して残り8試合を戦う。
CONCACAFチャンピオンズリーグ
この日の試合はレギュラーシーズンとは別に行われているCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)が主催する国別チーム代表戦。北米から9チーム、中米から12、カリブ海地区から3の24チームが参加するトーナメントで、北米はカナダから1チーム、アメリカから4チーム、メキシコから4チームが各国代表として出場している。カナダからは昨年の国内選考大会ACC(アムウェイ・カナディアン・チャンピオンシップ)で優勝したホワイトキャップスが出場。
24チームは1グループ3チームの8グループに分かれ予選グループを戦う。ホワイトキャップスは、トリニダード&トバゴ代表セントラルFCとアメリカ代表スポーティング・カンザスシティと同組のグループC。試合は10月末までにホーム&アウェーで各チーム4試合行い、グループ1位が決勝ラウンドに進出する。
チャンピオンズリーグ優勝チームはFIFAクラブワールドカップへの出場権を獲得する。咋年はメキシコ代表クラブ・アメリカが優勝した。
今大会はレギュラーシーズンの合間に試合が組み込まれるため、出場するチームのスケジュールが非常に苦しくなるという不利な面もある。この日、試合後の記者会見で、スポーティングのキニア監督は、「3日前にレギュラーシーズンの試合を終え、移動してこの試合に臨まなくてはいけないため、チームもベストメンバーが揃えられない。キャップスも状況は同じ」と語り、レギュラーシーズンも佳境を迎える大事な時期に、この大会が組み込まれていることに疑問を呈していた。
(取材 三島 直美 / 写真 斉藤 光一)