2016年8月4日 第32号

今年30周年を迎えたJETプログラム。今期、カナダからは205人が参加する。7月29日、在バンクーバー日本国総領事公邸で、バンクーバーから出発する43人の参加者の壮行会が開かれた。

 

「JET!」のかけ声とともに手を振り上げてポーズをとる参加者と岡井総領事(中央)

 

第30期生となる今年の参加者たち

 JETプログラムは、1987年、日本と諸外国との相互理解の増進と日本の地域の国際化の推進を目的として開始された。カナダからの参加者にはALT(Assistant Language Teacher)とCIR(Coordinator for International Relations)という2つのポジションがある。ALTは、日本人の英語教師の助手として授業に携わる他、教材の準備や課外活動に従事する。JETプログラム参加者の多くはこのALTだ。CIRは主に地方公共団体の国際交流担当部署に配属され、国際交流活動に従事する。こちらの職種は一定以上の日本語能力も要求される。今回バンクーバーから日本へ向かう43人のうち、42人がALT、1人がCIRとしてそれぞれの職場に従事する。

 壮行会レセプションでのスピーチで、岡井朝子在バンクーバー日本国総領事は「JETプログラムに参加するためには10倍近くの倍率だと聞きました。それだけ人気の高いプログラムだということがわかります。このプログラムに参加する人たちは、日本とカナダの懸け橋となることでしょう。ぜひ日本での生活を有意義なものにして、楽しんできていただきたいです」と語った。  

地域レベルでの国際交流を

 参加者を代表して2人がスピーチをした。2007年から5年間、沖縄でALTとして従事したリチャード・ヘイウッドさんは、沖縄で出会った日本人の友人と現在まで続く強い友情を育んだ逸話を披露し、JETプログラムの草の根的国際活動の素晴らしさを語った。今回はCIRのポジションで鳥取県で働くことになっているリチャードさんは、海外からの派遣団などが訪れる際に、翻訳と通訳に主に携わるという。とても外交的で前向きなリチャードさんは、きっと新天地でも良い人間関係を築くことだろう。

 続いてスピーチに立ったテラン・リーズさんは、昨年交換留学生として神戸に5カ月滞在し甲南大学に通ったという。異文化間での交流の素晴らしさを身をもって体験したことが、JETプログラムへの参加の強い動機となったと語った。テランさんは、今回は宮城県名取市に行き、中学校と小学校でALTとして従事する。大学では英語と演劇の歴史を専攻していたので、日本でも舞台を見に行きたいという。前回の日本滞在がとても楽しかったので、今回も数年は滞在したいと考えているそうだ。

 マリア・ニイロ・フォスターさんは、和歌山県で中学校、小学校、幼稚園でALTとして働くという。「日本語を話すのは大丈夫ですが、読み書きがちょっと苦手なので勉強したいです。いろいろな人に会えるのも楽しみにしています」と日本での生活への希望を語ってくれた。

 レセプションでは、オーストラリア出身の箏奏者、深山・マックイーン・時田さんが17弦の箏を演奏。通常の13弦のものより低音なのが特徴だ。「朝」、「霧」、「子守唄」、「風」などの6つのパートで構成される「六つの詩〜森によせて」という曲を演奏。晴れ渡ったガーデンでのレセプション会場にぴったりの雰囲気の演奏に、みなが聞き惚れていた。日本での生活への期待と希望にあふれる一行は、この壮行会の次の日に日本に向けて出発した。

(取材 大島 多紀子)

 

スピーチをする、岡井朝子在バンクーバー日本国総領事

 

「鳥取県には砂丘もあるし大きなスキー場もあります。ぜひ来てください!」とすでにプロモーションにも取り組んでいるリチャード・ヘイウッドさん

 

日本滞在中にダンスをする同好会のようなところにも参加してみたい、と語るテラン・リーズさん

 

JETプログラム同窓会(BC・ユーコン支部)のマイク・ダリーさんが音頭を取って乾杯!

 

17弦の箏を演奏する、深山・マックイーン・時田さん。7月30、31日のパウエル祭でも演奏した

 

派遣先の和歌山県について「果物がおいしいそうですから楽しみです!」という、マリア・ニイロ・フォスターさん

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。