2016年7月28日 第31号

ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の日系文化センター・博物館で、9月3日(土)、4日(日)の2日間にわたり、恒例の日系祭りが開催される。子ども向けのアクティビティ、さまざまなパフォーマンス、ガーデンでの神輿や盆踊りなど、家族みんなで楽しめる内容だ。ことしの日系祭りについて、実行委員長のルイーズ阿久沢さんと、ボランティアコーディネーターのジェームズ・モーニンさんに話を聞いた。

 

やぐらの周りを囲んで盆踊り(Photo by Adam PW Smith)

 

家族で訪れ終日楽しめる

 日系センターのロビーには、ヨーヨーつりや射的など、子どもに人気のゲームがずらりと並ぶ。ことしの新しい催しとして「Let's Craft!」という部屋が設置される。ここではフェイスペインティングや風船作り、缶バッジ作りなどのクラフトを楽しめる。子ども向けゲームと、「Let's Craft!」の入場料(子ども1人2ドル・同伴保護者は無料)には、日系祭りで発行する「祭りマネー」を使用する。

 館内には、和風小物、浴衣、アクセサリー、スイーツなど、さまざまなベンダーが出店する。また、日本の航空会社、旅行会社などによる「ビジット・ジャパン」コーナーでは、魅力あふれる日本文化を紹介する。全日空の日本往復チケット、ホテル宿泊券、旅行券といった豪華な景品が当たるラッフルチケットも販売される。2階には、彩月会による浴衣の着付けコーナーがある(ドネーション)。浴衣を着て写真を撮るなどお祭りの気分を楽しめる。自分の浴衣を持参して着つけてもらうことも可能だ。人気の古本市も開催される。

 ガーデンにはやぐらが建てられ、その周りを大人の神輿、ガールズ神輿、子ども神輿が威勢よく練り歩く。現在、各神輿の参加者を募集中。また、美しい日本庭園を眺めながらビールや日本酒を楽しめるビアガーデンもある。屋外のフードトラックでは、たこ焼き、ラーメン、抹茶バー、クレープなどおいしいラインナップがずらりと並ぶ。さらに、館内では、昨年に引き続き、日系センターの活動補助グループが、人気の「氷すいか」とおまんじゅうを販売する。夏祭りの雰囲気を盛り上げる食べ物がいっぱいだ。

ステージも見どころ満載の内容

 日系センター内に、ことし1月にオープンした武道場。ここでは、裏千家と表千家による茶道のデモンストレーションと、てい茶が行われる。また、カナダ日本武道振興会による少林寺拳法、空手、合気道、剣道、柔道のデモンストレーションも披露される。このほかステージでは、11月に行われる国際ジュニア・テコンドー大会のプロモーションとして、バーナビー市観光局後援によるデモンストレーションもある。

 今回、日本からゲストとして元Whiteberryのボーカル、前田由紀さんが日系祭りの両日とも出演。ヒット曲「夏祭り」を日本全国のお祭りで熱唱する前田さんは、カナダは初めて訪れるという。日系祭りも大いに盛り上げてくれるだろう。ステージでは他にも、日本舞踊、和太鼓、舞楽や歌舞伎を現代風にアレンジしたものなど、多彩なパフォーマンスが展開される。タレントショー「Matsuri Star Talent Search presented by Vancouver Shinpo」では、ことしもたくさんの才能あふれる出演者がオーディションを勝ち抜いて、3日に準決勝、4日に決勝戦を迎える。前田由紀さんも審査員の1人として参加する。

 

日系祭りのタレントショーはバンクーバー新報社が後援!

私の夏祭り バンクーバー新報社社主 津田佐江子
 父は夏の暑い日、庭先に出て兄や弟の頭をバリカンで刈っていました。私と妹は新しく買ってもらったサッカーという生地で縫われたカンタン服を着たり、脱いだり、たたんだりしていました。それは数日後に来る村の夏祭りを迎えるときめきの儀式のようなものでした。

 夏祭りは毎年8月、少し高台にある林の中のお寺の境内で夕方から行われていました。ところどころの木に、ちょうちんがぶらさげられ、あかりが灯っていました。屋台ではラムネやミカン水などが売られ、大勢の人が遠く離れた町から集まってきていました。知らない人ばかりなのにみんな華やいで親しげでした。父も母もいつもより優しく、兄弟や妹もいつもより親密に感じました。

 知らない人たちと華やいで親しげに過ごし、家族がいつもより優しく感じられる…こんな夏の祭りを想いながらスポンサーをさせてもらうことにしました。

 

 日系祭りは9月3日、4日の午前11時から午後7時まで開催。午後7時以降は屋台が閉まるが、8時半まで館内でパフォーマンスを楽しむことができる。屋台や神輿、盆踊りなどガーデンは無料、館内への入場料は1人3ドル(5歳以下・日系センター会員・新会員は無料)で、ファミリー割引は4人で10ドル。ことしはベビーカー置き場が設置されるので、館内を動き回るのもぐんと楽になる。

 ボランティアのコーディネートをするジェームズ・モーニンさんは、「ことしも400人くらいのボランティアに来ていただくことを目標としています。友達同士誘い合って祭りを楽しみながら参加してほしい。フレンドリーなお祭りにしたいです」と話す。ボランティアは、ただいま大募集中。さまざまな仕事があるので老若男女誰でも参加できるとのこと。実行委員長のルイーズ阿久沢さんは、「日系文化センター・博物館・副理事長の夫とともに数年前から日系祭りでボランティアをするようになり、ことしは五明明子理事長から日系祭りの実行委員長を引継ぎました」とのことで、「日本のお祭りを再現しながら、日系人の方はもちろん、いろいろな国の人にきていただき、日系センターを身近に感じてもらいたいと思っています」と語った。
日系祭りホームページ nikkeimatsuri.nikkeiplace.org

日系文化センター・博物館理事長、五明明子さん 日系祭りは日系センターの建物の維持や運営資金のためのファンドレイズも兼ねており、その趣旨に賛同してドネーションしていただければ、大変感謝いたします。日系祭りでの各コーナーへのタイトルスポンサーも募集しております。
ご寄付に関する連絡先:
日系プレース基金 電話:604-777-2122  
Eメール:This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.
ウェブ:nikkeiplacefoundation.org

(取材 大島多紀子  写真提供 日系祭り)

 

多くの人をひきつける和太鼓の演奏

 

大人、ガールズ、子どもの3種類の神輿の担ぎ手を現在募集中!(Photo by Adam PW Smith)

 

子どもに人気のゲームもたくさん

 

昨年の祭りスター・タレント・サーチ決勝

 

大人気のハローキティ&フレンズの砂絵が今年も登場

 

屋台フードはお祭りの楽しみのひとつ

 

日系祭り実行委員長のルイーズ阿久沢さん(右)とボランティアコーディネーターのジェームズ・モーニンさん

 

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読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。