日本の伝統行事である七夕祭りが7月2日、ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の日系文化センター・博物館で開催された。地域と日系の人たちに日本文化を共有してもらうことを目的として開かれたこの祭りも、ことしで5回目の開催となる。昼と夜の2部構成で行われ、浴衣や法被を着た親子連れやカップルなど計約340人(昼の部約250人、夜の部90人)が来場した。
笹の葉が夏の風にそよぐ
昼前にオープンした会場には15の出店が登場。魚つり競争やボーリング、紙芝居にヨーヨーつりなど子供向けの催しが中心で、ホットドック、ポップコーン、たこ焼きにジュースなどの飲食物も販売された。また浴衣の着付けコーナーもあって、着方を習いながら借りることもできた。
イベントホールでは、願い事を書くための短冊や、折り紙で作った飾りを笹の葉に付けるコーナーが設けられ、母親らが子どもたちに作り方や飾り方を教えていた。
親子で笹の葉に飾り付けをしていたリーズ祐美さんは、5歳の茉莉花ちゃんに「日本の伝統文化に触れてほしかった」と、ことし初めて参加したそうだ。
3歳の翔くんと生後2カ月の拓実くんの兄弟を連れて来た大川明希さんも「子どもたちに日本文化を楽しんでもらいたい」と話した。
午後にはホールで盆踊り大会が開かれ、浴衣を着たボランティアが子どもたちの手を取り、炭坑節などの曲に合わせて皆で輪になって踊った。
野外では10歳から28歳までの若い男女による『ちび太鼓』の演奏もあり、息の合った大太鼓の迫力を大勢の観客が楽しんだ。
夕方から始まった夜の部は、日本の留学生と地域の若者らが交流できるように『ミス浴衣ショー』を開催。飛び入り参加も含めて学生など10人が、赤や白、黄色などの色鮮やかな浴衣や帯を身につけ観衆を魅了した。またプロのダンサーによる踊りのパフォーマンスも見られた。
会場ではバーベキューが有料で提供され、ワインやビールなどのアルコールの販売もあった。そのためか、会場で初めて会った人たちの会話もはずみ、終了時間が予定より1時間ほど延長された。
イベントスタッフの坂本遼太さん(22)は「約50人のボランティアが、よくやってくれました。自主的に遅くまで残ってあと片付けをするなど、本当に助かりました。食料品やゲームの景品などを援助していただいた日本企業の方々にも感謝しています。ことしから若者向けのイベントも企画したので、これからは20代の若い人たちにもたくさん参加してもらいたいです」と抱負を述べた。
(取材 古川 透)
盆踊りを習う子どもたち
紙芝居に見入る子どもたち
人気の魚つり競争
笹の葉に飾り付けをする大川明希さん(左)と翔くん
短冊飾りの準備をするリーズ祐美さん(左)と茉莉花ちゃん
力強い演奏を披露する、ちび太鼓のメンバー
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