休養十分でも白星には結びつかなかった。前試合の疲れを引きずるニューイングランド・レボリューションをホームで迎え、5月14日以来のMLS勝利を狙ったホワイトキャップスだったが、主力を欠いたチームは得点力不足に泣いた。

 

63分に交代するまでチームをけん引した小林。試合後には「人工芝変わった?」とキャップス当時と違う芝の状態に驚いていた

 

6月18日(22,120)
バンクーバー ホワイトキャップスFC  1 - 2  ニューイングランド・レボリューション

 レボリューションは31分、MFウッドベリーのゴールで先制。その10分後、FKのチャンスを得たホワイトキャップスはMFメスキーダがそのままシュートを左隅に決め同点。前半を1ー1で終える。後半はホワイトキャップスが押すも55分にMF小林が反則ギリギリのプレーからボールを奪うと、その流れのままMFロウィがゴールを決め1‐2。その後キャップスの怒涛の攻撃も実らず、レボリューションが守りきった。

 

小林、BCプレースでの久々の先発

 レボリューションに移籍して2年半、元ホワイトキャップスの小林大悟が久しぶりにバンクーバーに帰ってきた。BCプレースで先発するのは2013年シーズン最終戦10月27日対コロラド・ラピッズ以来。「いいですよね、やっぱり、ここは」と試合後、感慨深げに語った。

 今季は先発よりも途中出場が多い。この日は連戦というレボリューションの選手起用事情もあり久々の先発だった。ボランチとしてチームをまとめるのがこの日の役目。55分にはホワイトキャップスMFタイバート(#31)に反則ギリギリのプレーでボールを取ると、そのままレボリューションの2点目に繋がり、アシストは付かなかったものの、これが決勝点となった。

 「今日はキャップスのメンバーもちょっとね」と小林。ホワイトキャップスは出場停止などで主力選手を欠いた戦力だったことも幸いしたが、「アウェーでホワイトキャップスに勝てるのはでかいですね」と、今季アウェー初白星を喜んだ。

 試合後はホワイトキャップスの選手たちとも話したという。監督とは「試合中握手しました。ちょうどタッチライン沿いで」と破顔。「戻ってきて、またプレーできたんで、嬉しかったですね」

 レボリューションですでに3年目を迎え、移籍後初めて戻ってきたバンクーバーは、いい印象のままのよう。ただ「工藤君とやれれば一番よかったんだけど」と、工藤との対戦が実現しなかったことを残念がった。それでも「これだけサッカーが盛り上がっているしね、この町で。今工藤君いるし、日本人がもっと評価されていけば面白いと思いますけど」と、バンクーバーで挑戦している工藤にエールを送った。

 

「残念な結果だった。勝てる試合だった」

 この日はDFワストン、MFモラレス、FWリベロを出場停止で欠くという試合となった。工藤もケガで出場できず、得点力不足が予想される中、それでもロビンソン監督は「選手は良くやった」と称え、「勝てる試合だった」と厳しい表情で語った。前半、MFメスキーダの鮮やかなFKゴールが決まり同点に追いつくと、後半は怒涛の攻撃で攻めた。しかし、得点には結びつかなかった。

 監督はレボリューションの2点目に絡む小林のテイバートへの厳しいチェックについて聞かれると、「ファールだと思った」と語った。ただ、「審判がファールとコールしなかった時点で、もっとプレーに集中すべきだった」と振り返り、結果的に敗因となったことを悔やんだ。

 ホームでの黒星は今季開幕戦3月6日モントリオール・インパクト戦以来。レボリューションは15日にもアウェーでUSオープンカップ120分を戦い、小林いわく「水曜日もやってるし、みんな体がボロボロだった」という状態で、しかもここまでMLS3勝と不調にもがいていた。そんな相手にホームでの敗戦は、例え主力を欠いていても言い訳にはならないだろう。

 しかし反省ばかりはしていられない。6月は21日にトロントでのACC戦に0‐1と黒星を喫した後も、25日にフィラデルフィアで、29日にBCプレースでと連戦となる。ロビンソン監督はトロントとのACC(アムウェイ・カナディアン・チャンピオンシップ)に向け、「(昨年に続く)連続優勝目指して準備する」と次試合に目を向けた。

(取材 三島直美 / 写真 斉藤光一)

6月のホームゲーム
6月29日(水)7pm トロントFC戦(ACC) トロントには遠藤翼が在籍している。  

 

 

 

試合後、小林と談笑する工藤。すでに顎のワイヤーも外れ、練習に参加している。「早ければ今月中にも実戦復帰したい」と話した

 

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