ブリティッシュ・コロンビア州・リッチモンド在住の渡邊 宣之さん(71)が、4月に三重県で開催された『第一回全国カラオケ歌謡うた自慢・グランドチャンピオン大会』でグランプリ優勝した。「カラオケとインターネットが生きがい」と話すノブさんこと渡邊 宣之さんのカラオケ人生とは。

 

『第一回全国カラオケ歌謡うた自慢・グランドチャンピオン大会』でグランプリ優勝した渡邊宣之さん

 

夢心地で受賞

 『第一回全国カラオケ歌謡うた自慢・グランドチャンピオン大会』は中部プロダクションが主催しカラオケ機材のDAM(第一興商)後援によるもので、三重県松坂市にある温泉・宿泊所付きカラオケ施設『うた湯の郷宿(さと)』で開催された。

 元NHKアナウンサー吉川精一さんの司会で、審査員を徳間ジャパンの井上誠啓さん、審査委員長を作詞家協会理事で作詞作曲家の、たきのえいじ先生が務め、演歌歌手の藤森 美伃(みよ)さんがゲスト出演。毎月の受賞者ほか28人が決勝戦に臨んだ。

 昨年5月の予選大会で審査員特別賞を受賞していた渡邊さんに "もしや?" という思いもあったが、出番が終わってから着替えてしまいジーンズ姿で迎えた受賞発表。「自分の名前が呼ばれたときは "ウソー!" といった感じで、夢心地で舞台に上がっていきました」

 

歌に芝居がある

 受賞曲は堀内孝雄の『人生雨のち時々晴れ』。演歌よりもロマン歌謡が好みで、以前よく歌ったのは前川清の『長崎は今日も雨だった』『東京砂漠』など。

 最近のカラオケ機材には精密な採点機能が搭載されたものもあり、音符通りに歌っていれば高得点が出るものの、感情が入りすぎるといい点数が出ないこともあるという。

 この大会ではフルコーラスを歌い、審査員が細かくチェックし審査表を作成する。たきのえいじ先生から「渡邊さんの歌には芝居がある」と評価されグランプリ優勝した。

 

亡き妻とカラオケ仲間

 1979年に家族とともにバンクーバーに移住。和風建築の大工としてブリティッシュコロンビア大学(UBC)アジアセンター内の茶室『和光庵』、コキットラムの東漸寺の茶室と水屋などを手がけた。

 本格的に歌うようになったのは、カラオケ・サークル『三金会』に夫婦で参加するようになってから。『年末カラオケ大会』(ICAS主催、2004年)でグランドチャンピオン優勝したほか、日本では『ジャコム・ミュージックフェスティバル2004』(社団法人日本大衆音楽文化協会(JACOM)主催、2004年横浜)に参加。応募者総数約7千組の中からテープ審査を経て決勝大会に出場し、審査員から「渡邊さんの歌には心がある」と評価され5位の特別奨励賞を受賞した。

 日本全国のカラオケ仲間と毎日ネットで交流し、気に入った歌のCDを日本から送ってもらう。月一回の『歌声喫茶』や『歌ソロサロン』で歌を披露しあうのも楽しみのひとつだ。そして、心の中にはいつも亡き妻正子さんからの励ましの言葉が生きている。

 今大会のグランプリ優勝の副賞として、たきのえいじ先生が楽曲を作ってくれるそうで、CD歌手デビューも夢ではなさそうだ。

(取材 ルイーズ 阿久沢 / 写真提供 渡邊宣之さん)

 

大会入賞者と審査員、ゲストのみなさん(中央が渡邊宣之さん。後列左から審査員・徳間ジャパンの井上誠啓さん、審査委員長・たきのえいじ先生。後列右端が司会の吉川精一さん、後列右から3番目が演歌歌手の藤森美伃さん)

 

『人生雨のち時々晴れ』を歌う渡邊宣之さん

 

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