5月11日、バンクーバーホワイトキャップスFCはBCプレースで、シカゴファイアーと対戦し、ペレス選手の2ゴールにより2ー1で快勝した。
先発出場した工藤選手は、前半途中に相手GKと激突し途中交代を余儀なくされ、救急病院に搬送された。検査の結果、顎の骨折が確認され、すぐに手術を受けた。顎の骨折を上回る負傷は確認されておらず、手術後の経過は順調で、13日には退院。しかしながら、現在、試合復帰のめどは立っていないとのこと。
89分、ペレス選手がオーバーヘッドキックで決勝点となるゴールを決める
5月11日(19,638)
バンクーバー ホワイトキャップスFC 2 - 1 シカゴ・ファイアー
キャップスは4ー2ー3ー1の布陣でワントップのFWに工藤選手が先発したが、11分にアクシデントは起きた。 ピッチ中央付近からMFラバ選手が相手の最終ラインの裏をねらうロングパスを出し、FW工藤選手がそのボールに走り込み、ボールをキャッチしたシカゴファイアーのGKランプソン選手の肩付近に、顔面から激突したあとピッチに仰向けに倒れ込んだ。気を失ったのかすぐには動けず、両チームの選手が駆け寄り応急措置をするプレーヤーもいた中、救急班がピッチに駆けつける騒ぎとなった。 工藤選手は数分後に立ち上がったものの、口に当てられたタオルは真っ赤な鮮血で染まっていた。このあとプレーを続行できず、医療用のカートに乗せられてピッチを後にした。 約8分間の中断のあとに試合は再開され、36分にMFボラニオス選手による右からのクロスに、工藤選手に代わってピッチに入ったMFペレス選手が走り込んでゴールを決め、キャップスが先制する。 後半に入り62分、シカゴファイアーのFWイボナニケ選手に、ゴール前でのフェイントから右隅にシュートを決められ1ー1の同点とされる。 しかし終了間際の89分、右からのクロスに合わせたMFマネ選手のシュートが、相手ディフェンスに当たるとそのボールがゴール正面で浮き球になり、MFペレス選手が鮮やかなオーバーヘッドキックを試み、ゴール右隅に決めて2ー1と勝ち越す。 試合はそのまま終了し、ペレス選手の2ゴールでキャップスはホーム戦で連勝を果たした。 ロビンソン監督は試合後の記者会見で「ペレス選手の2得点はスーパーゴールだったが、今日は複雑な心境だ」と工藤選手のけがを心配し「彼は我々にとって大きな存在だ。このあとすぐに病院へ向かい、本人や家族の様子を見に行くつもりだ」と気遣っていた。 キャップスは連勝したものの、7日のホーム戦で初ゴールを決めて調子を上げてきた工藤選手を欠くことは、今後チームにとって痛手になるだろう。
(取材 古川 透)
決勝点を決めた直後、応援席へ走るペレス選手(中央)とモラレス選手(右から二人目)らキャップスの選手たち
11分、GKランプソン選手(左)と激突したあと倒れ込む工藤選手
医療用のカートに乗せられてピッチをあとにする工藤選手
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