中山庭園の入り口。こぢんまりしているので注意 中山庭園がオープンしたのは25年前の1986年4月24日だ。53人の中国蘇州からの職人、造園技術者と、カナダ側スタッフとの協力で造園を行い、完成に13ヶ月を要した。

白壁に囲まれた庭園に一歩、足を踏み入れると、明の時代にタイムスリップしたような錯覚にとらわれる。中国から送られた庭園の材料は、クレート950台分。接着剤やネジ、そして組立てにも動力工具をまったく使っていないということで、すみずみにまで職人技が行き届いている。

中山庭園はScholar’s Gardenとあり、学者の庭だ。明時代、高い教養を身につけ、政治の中枢にいた学者の生活は多忙を極め、休暇をとることなどはなかった。そのため、屋敷内に山や海などさまざまな地形を模した庭を作るようになった。池を配し、その池を囲むようにした建物や回廊が見事に調和している。東屋のある場所は少し高くなっていて、庭園全体の眺望を楽しむことができる。

また園内には太湖石とよばれる、穴があいた奇石が多数置かれている。これらの石は江蘇省の太湖から輸入されたもので、長年にわたる侵食で、石灰岩が複雑な形状の石となっている。名石として人気があり、採取しつくしてしまったので、現在では、岩や石を湖に運んで侵食させて、太湖石をつくっているそうだ。いわば太湖石の養殖だ。

中山庭園では、地域に根付き、市民に愛される庭園となるためにも、コミュニティと“コネクト”するようさまざまな努力をしている。学校向けのプログラムも充実していて、フィールドトリップでも人気だ。芸術作品が展示されているホールや、レクチャーシリーズ、夏の夕べにはブルースやゴスペルなどのコンサートも開催される。2004年からはウエディングや会議、パーティの場所としてもプロモーションをしていて、去年の夏は約40組のカップルが結婚式に利用した。

園内は陰陽のバランスも重視している

職人技がすばらしい

中山庭園にあるような”天然もの”の太湖石は貴重品となっているそうだ。

 

25周年スペシャルイベント
2011年は年間を通して、25周年を祝うさまざまなイベントが開催される。次はその一例だ。
5月13日~15日 盆栽特別展示。販売やデモンストレーション、盆栽クラス
5月20日~22日 牡丹展
7月8日~9月2日までの金曜の夜 コンサート
9月11日 中秋の名月
9月 生花展
10月26日~30日 ハロウィンに合わせたミステリー、A Judge Dee Mystery
12月21日 冬至フェスティバル
毎月25日は25人目の入場者までは、スペシャルギフトの贈呈もある。

 

また、中山庭園をサポートしてきたメンバーへの感謝を込めて、今年は会員特典が豊富だ。
毎月25日はメンバーシップ25%割引
たとえば1月はポリスミュージアム、2月はスペースセンターというように、月代わりで異なる博物館への入館が無料に。どの博物館かは、毎月、月初に発表される

メンバーシップは個人の場合、年間35ドル。25周年のスペシャル特典以外にも、メンバーナイトへの招待やギフトショップやバンドゥーセン植物園の割引料金などがある。

 

開園時間
10/1- 4/30 10:00am - 4:30pm
5/1 – 6/14 、9/1 – 30 10:00am - 6:00pm
6/15 – 8/31 9:30am - 7:00pm
4月30日まで(11月1日から)の月曜日と、クリスマス、元旦は休み。
12月24日と31日は10:00 am-3:00 pm。

入場料
大人: $12.00、シニア: $10.00、学生: $9.00、5歳以下: 無料
家族(大人二人、18歳以下の子ども二人): $25.00
中山庭園を訪れる際には、是非、無料のツアーに参加しよう。庭園の魅力、見所を詳しく説明してくれる。冬は10:30 から一日4回、夏は10:00から一日8回開催。

www.vancouverchinesegarden.com

アクセス
スカイトレイン、Stadium-Chinatown駅から徒歩5分。
ダウンタウンからバス#22か#19

(取材 西川桂子)

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