カナダの国内大会だけでなく、数々の世界大会のメダリストも輩出してきたChamps International Skating Centre of BCが本拠を置いていることでも知られている、バーナビー市8リンクス。多くのスケート選手が、2015~16年シーズンの締めくくりを迎えようとしている中、世界選手権に向けて練習を続けている選手がいる。2016年カナダフィギュアスケート選手権(2016 Canadian Tire National Skating Championships)のジュニア女子シングルで優勝した田村紗楽(Sarah Tamura)さん(15歳)だ。忙しい練習の合間に紗楽さんに話を聞いた。

 

目標としている選手は、同じクラブの先輩、ケビン・レイノルズ選手だという

 

 紗楽さんは、1月にハリファックスで行われた2016 Canadian Tire National Skating Championshipsのジュニア女子シングルで優勝したということですね。おめでとうございます。ジュニアレベルでカナダ一ということですね?

「ありがとうございます。ジュニア女子で一位になることができました」

 ショートプログラムでパーソナルベストを更新して1位。フリーの前はどんな気持ちでしたか?

「ジャンプとかミスなしできたのに、最後のスピンでバランスを崩してしまって、がっかりしていただけに、ものすごく嬉しかったです」

 フリーも安定した演技で2位に20点近くの差をつけて、見事に優勝しました。優勝を決めた1月21日は誕生日だったそうですね。

「はい、15歳の誕生日でした。最高の誕生日プレゼントになりました」

 ショートで1位ということは追われる立場ですよね。たとえば僅差の2位で追うのと、1位で逃げ切るのと、どちらが好きですか?

「やはり、1位で逃げ切るほうがいいですね。追いかけられる場合は、自分のスケートをしっかりすればいいので楽しむことができます」

 去年のシーズン、2014〜15年シーズンはカナダ選手権(ジュニア)では6位だったそうですね。

「その前の2013〜14年シーズンはノービス(10〜14歳まで)で優勝。2014〜15年はジュニアに上がって最初のシーズンだったので、張り切っていたのに怪我をしてしまいました。大会前は2週間ぐらいしか練習できず、残念な結果となりました。それだけに今年1位になることができて嬉しかったです」

 全国大会で優勝したので、次は1月14〜20日の間、ハンガリーで開催される世界ジュニアフィギュアスケート選手権ですね? ジュニア女子では紗楽さん以外にどなたか出場されるのでしょうか?

「ジュニア女子は私だけです。ジュニアではアイスダンスとペアは昨シーズンの成績がよかったので、3組ずつですが、シングルは残念ながらあまりよくなかったので、男子、女子とも一人ずつです。世界選手権では、カナダ代表としてカナダの皆さんが誇りに思ってもらえるようなスケートをしたいです。そのためにも毎日、しっかり練習していきます。ベスト10に入るのが目標です」

 紗楽さんは何歳からスケートを始めたのでしょうか。

「5歳のときです。当時はリッチモンドに住んでいて、ミノルアリーナが近くにあったので、スケートのレッスンでも取ってみようかな、という感じだったそうです。7歳のときに初めて8リンクスでの試合に出て、1位になることができました」

 今までに辞めたいと思ったことはありますか?

「練習が大変で辞めたいなどと思ったことはありません。スケートをしていると休みは、クリスマス、お正月…と一年で数日ですが、スケートが好きなんですね。ただ、ジャンプとかできなくて、悔しい、もう嫌だ、辞めたいと思ったことはあります」

 現在、バーナビー・セントラル・セカンダリー・スクールの学生だと聞きました。見せていただいたスケジュールでは1時45分まで授業の後、2時15分から6時、曜日によっては7時半まで練習ということで、勉強とスケートの両立が大変なのではないでしょうか? 普通は3時ごろまで学校ですよね?

  「バーナビーセントラルにはアスリートのためのプログラムがあり、セカンダリーの最低限の必修科目を取り、選択科目分をスケートの練習に充てることができます。ただ、どうしても試合などで学校を休まなければならないときがあり、そのときは帰ってきたら休んだ間の宿題が待っています。世界選手権は春休み期間なので、ちょっとホッとしています」

 世界選手権、そして今後の活躍が楽しみだ。

(取材 西川 桂子)

 

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