2月10日、在バンクーバー日本国総領事公邸で、大河内南穂子さんに対する公館長表彰授与式及び祝賀レセプションが開かれた。 あでやかな振袖姿の大河内さんは岡田誠司総領事から『日本とカナダの相互理解及び友好親善に寄与し、その功績顕著なものがありますことに深甚なる敬意を表するとともに表彰します』と書かれた表彰状を受けとり、家族や友人らに囲まれ受賞を祝った。
岡田誠司総領事より『公館長表彰』の表彰状を受け取った大河内南穂子さん
生涯学習の大切さ
公館長表彰(総領事表彰)は諸外国との相互理解及び友好親善の促進、広報文化の促進、領事・移住業務の促進などに顕著な貢献をした個人または団体に対して在外公館の長が随時行っている表彰。
岡田総領事は大河内さんが主宰するコスモス・セミナーについて「みなさんを募って常に勉強していくことは大切なことです。国と国との関係を調整していくことは、まず人と人とのつながりがうまくできていくことから始まります。大河内さんのこれまでの幅広い分野でのご尽力に敬意を表し感謝します」と述べ、表彰状が授与された。
輝く女性の年
大河内さんは「今回、大変名誉な賞をいただきましたこと、身にあまる光栄です。決して私ひとりの力でいただけたわけではなく、これまで出会い関わっていただいた皆さまのお陰と心から感謝しております。『輝く女性の年』と安倍首相が提唱され、ご理解深い総領事さまより数々のご厚意をいただきました。さらなる努力をいたす覚悟でございます。変わらぬご指導とご鞭撻をお願いいたします」と挨拶した。
「持ち前の江戸っ子気質で何事も即断即決、すばらしいカリスマ性のあるリーダーだと思います。コスモス・セミナーではみなさんが責任と役割を十分意識され笑顔で対応されるのを見るにつけ、経営者のひとりとして大河内イズムは素晴らしい組織体と敬服しております」と赤堀正明さんがスピーチし、乾杯の音頭を取った。
ボランティアのこころ
大河内さんは1970年にカナダに移り、サレーで女性の会『すみれ会』を発足。友人のひとりは「当時は日本の情報も少なく、月一回の集まりがとても楽しみでした。カナダの習慣や料理もみんなで習いました」と話す。
「両親がしてきたことを見て、私たちも日系社会でボランティアをするという姿勢を受け継ぎました」と長女のミミ堀田さん。この日のために東京から駆けつけたというカナダ生まれのケビン大河内さんは、日本語と日本文化を守っていくことを両親から教えられたという。 食後はサプライズで準備された『二十四の瞳』の映像と岡田総領事によるサックスの生演奏に大きな拍手が沸いた。
(取材 ルイーズ阿久沢)
大河内南穂子さん略歴:1954年、 松竹映画『二十四の瞳』に4000人あまりの中から選ばれ小ツル役で出演。映画は数多くの賞を受賞した。 1970年、東京からバンクーバーへ移る。当地の日本語テレビ開局以来13年間司会を担当。CBCラジオの日本向けリポートや『日加タイムス』のバンクーバー支局長 を経て、サイモン・フレーザー大学の日本部専任講師を10年間務める。
1996年、四国新聞社よりエッセイ『瞳からの旅立ち』を上梓し日本図書館協会の選定図書となる。 移住以来ボランティア活動は多岐にわたり、サレー日本語学校、日系女性の会、企友会の設立に尽力。移住者の会役員、『歩こう会』世話役など歴任。日系プレース建設募金共同委員長、日系文化センター・日系博物館理事を務めた。2000年より生涯学習の集い『コスモス・セミナー』主宰。国際コーチ連盟の集中講座を受講後『大河内南穂子流ライフコーチング』で個人、グループ、会社団体向けに指導中。
「スーパーレディーの大河内さんに限り引退はありえないと思いますが、今後とも今の若さとバイタリティーを維持され益々のご活躍ご発展を祈念し乾杯したいと思います」と乾杯の音頭を取った赤堀正明さん(写真 斉藤 光一)
「忘れてならないのが家族の絆だと思っております」と挨拶した大河内南穂子さん。隣は東京から駆けつけた長男のケビン大河内さん。(後列左から)岡田寧子夫人、長女のミミ堀田・堀田直人夫妻、岡田誠司総領事
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