「心身を鍛え、困難に立ち向かう強さを作る!」ことを掲げる寒稽古の主催者で、糸東流空手道正晃会師範の佐藤義晃氏は、バンクーバーで空手道場を始めて41年目を迎える。「雪、雨、氷点下6度の日でさえ、一度も休むことなく続けてきました。」と笑顔で話す佐藤氏は、「山伏である山岳僧侶が、修業として冷たい滝の水に打たれて身を清める様に、日本の一部の消防士や武道家は、現在も新年の冷たい水が流れる川や海に入り、寒中水泳をしながら鍛錬する習慣があります。」と続け、「26歳になった1970年に日本からカナダへ来て、41年間連続で寒稽古をずっと続けられた事が、何か不思議な気もします。これからも頑張ってやります!」と締めた。第41回寒稽古に足を運んだ50名の参加者は、日本語で一、ニ、三、四と大きな掛け声をかけながら、寒さにも負けず稽古に励んだ。最初は真っ白だった胴着も砂で真っ黒になる最後には、体に突き刺さるような痛みを感じるほどの冷たい海へ入り、1時間の寒稽古が幕を閉じた。
(取材 門利ようこ)